日本酒好きの趣味が高じて、8月に脱サラし「赤坂江戸桜」さんの店長になられた田中元さんが、温度を変えることによって味わいが変わる日本酒の魅力を広めていきたいと開催された「燗酒と秋の味覚を楽しむ会」に参加してきました。
日本酒はお店で揃えているスタンダードなものらしいですが、飲み比べることで造り方やお燗の仕方で変化する味わいを体験して、自分の好みを知り、楽しんで欲しいという田中さんの想いのこもったラインナップです。
秋の味覚のお料理もお店で頂けるメニューです。
特別純米 ひやおろし 萩の鶴
最初はひやおろしを常温で
ひやおろしとは冬から春につくられ3月ころに火入れされ熟成されたお酒を、その温度と外気温がおなじになる9月頃に火入しないで卸すものだそうで、フレッシュな味わいが特長。
すっきり華やかな味わいで最初の一杯に良いですね。前菜とも合います。
前菜は菊花のお浸し、じゃがいもすり流し、つぶ貝煮
特につぶ貝煮がとっても美味しかった。
日本酒を楽しむために福井の花垣の仕込み水も用意されています。
旭菊 特別純米 綾花 25BY
最初の一杯をお燗でと言われた時におすすめするオーソドックスでオールマイティなやさしいすっきりした味わいのお酒だそう。
お燗といっても熱すぎず、香りがふわっと広がりとってもやわらかい味わいになっています。
兵庫県 津居山港の天然真鯛、カンパチ、鯖のお刺身
すっきりした日本酒と美味しいお刺身は合いますね。
日置桜 生酛強力 24BY 杉山米
生酛造りとは江戸時代末期に確立された日本酒造りの基本とも言える製法で、日本酒らしい味わいを楽しめる。
強力は鳥取県独自の米の品種で、大学に保管されていた原種から復刻したものだそう。
このお酒を造っている蔵はアグレッシブで注目度NO。1の蔵だとか。
鱸ののんのん味噌漬け
のんのん味噌という美味しい味噌を使っています。味噌汁もこののんのん味噌を使っているそう。
参加者の方から頂いたさかずきんちゃんのステッカー。さかずきんちゃんはお酒大好き☆飲むの大好き☆な人々を応援するキャラクターらしいです。
秋鹿 山廃純米 無濾過原酒 山田錦 26BY
山廃仕込みは山卸と言われる酒母を櫂で丹念にするような造り方をするそう。
荒々しい、男らしい味が特長。
通常アルコール度数18度ほどの原酒を15度から16度くらいに調整するが、調整しないのが原酒。
これも燗にするとかなり華やかな感じになりますね。
天穏 生酛仕込 無濾過 純米大吟醸 山田錦 23BY
燗にすることで味が膨らみ、より味わいを感じられる。
無濾過なのでお米の味などをより感じられる。
杜氏の岡田さんが蔵を離れることになりもう飲めなくなるとか。
BYは醸造年度を示すので、平成23年度に醸造され、熟成されたもの。
しゃぶしゃぶの醤油や脂などを受け止めるお酒としてこれを選んだそう。
牛山ポークのしゃぶしゃぶ 山盛りねぎと出汁醤油で
牛山精肉店さんは豚の育て方にこだわり、その指導などもされているそう。
出汁醤油にもこだわっており、埼玉のはつかり醤油と丸大豆醤油を合わせた醤油を使っているとか。
ねぎたっぷりで頂きます。脂のうまみとねぎのさっぱり感、出汁醤油の味わいが合わさってとても美味しいですね。
天穏も確かによく合い、さらに美味しく頂けます。
神亀 ひこ孫 純米吟醸 7号酵母
長野の真澄の醪から分離培養された7号酵母を添加する速醸酛。
しっかりとした味わいを感じられる。
料理もお酒もとても美味しく、燗酒と秋の味覚を満喫できました。
同じお酒を温度が違う状態で飲み比べたりも楽しかったです。
日本酒って良いお酒は冷酒で、燗酒だと味がわからなくなるとかいう話を昔聞いたことがありますが、そんなことは全く無く、むしろ日本酒はその温度によって味わいがかなり変わるとても面白いお酒だと感じました。どの温度が良いか、お酒の温度だけでなくどれくらいの温度で温めるかなんかによっても味わいが変わり、燗をつけた人の個性が出るのだとか。
日本酒は刺々しくて苦手とか、持てないくらい熱い燗酒しか知らないという方は、ぜひ日本酒好きで研究熱心な主人がつける燗酒を味わっていただきたいと思います。燗酒のイメージが一変しますよ。
赤坂江戸桜は赤坂見附駅からすぐのところにあります。
こういうイベントは1回目だったそうですが、田中さんも日本酒イベントで日本酒を勉強して人生が変わったこともあり、自身も月一くらいでイベントを開催していきたいと語られていました。
また、ぜひ訪れたいと思います。田中店長、参加のみなさん、ありがとうございました。