5/25-26には東京建築祭が開催されていました。とても人気で要申込のイベントは全然当たらない感じでしたが、申し込み不要で無料の特別公開の場所を5/26にいくつか巡ってきました。すごく多くの老若男女がパンフレット片手に巡っていましたので、建築に興味がある人がそんなに多いのかと驚きましたが、嬉しくも思いました。
三井本館
まずは日本橋エリアから。「三井本館」は現存する最古のアメリカンタイプのオフィスビル。三井の本社機能を集中させるために建てられた複合ビルで、合名玄関が特別公開になっていました。
ものすごい行列で、中に入るまで1時間待ちでした。
合名玄関はそれほど広くない空間でしたが、床や天井、扉など重厚な造りでした。
歴史が感じられるエレベーターも動作しています。
日本橋三越本店
隣には三越
日本銀行
そして日本銀行も隣です。
日本橋ダイヤビルディング
東京証券取引所
日証館
次は日証館へ。日本の資本主義の父渋沢栄一の邸宅が合った場所に多くの証券会社が入居する建物として建設。設計は横河民輔が率いた横河工務所。三越日本橋本店や日本工業倶楽部会館など多くの都市の建築を設計したそう。エントランスホールが特別公開。
こちらもものすごい行列で1時間待ちでした。
エントランスホールの天井、照明、階段などなかなか良い感じ。
神田ポートビル
次は神田エリアへ。神田ポートビルは1964年築の印刷会社旧社屋をリノベーション。60年代ならではのモダンデザインを残した階段や、サウナ前室、「?」な茶室が特別公開。
階段を降りるとサウナがあります。
サウナ前室
1Fのカフェの奥にある「?」な茶室
遊び心たっぷりで面白い空間ですね。
岡田ビル
岡田ビルは、1969年築の不適合建築を大胆に「減築」。床面積を減築させることで適法化と同時に採光や通風。その社会性とデザイン性の高さから、2023年度グッドデザイン・ベスト100を受賞したそう。今回は屋上まで続く階段と屋上を特別公開。
カフェ1Fからうえを見上げると空が見えます。
骨格だけ残した空間に階段があります。
2Fから
既設の階段を残したまま階段を設置
屋上
とても独創的で面白いリノベーションですね。
安井建築設計事務所 東京事務所
安井建築設計事務所は1924年に建築家・安井武雄が創設し、サントリーホールや、東京国立博物館などの文化施設をはじめ、病院、商業施設など、幅広い分野の建築設計を手掛けている。創業100周年を機に築約60年のオフィスビルをリノベーションし、1階は「まちとつながりながら、私たちも自らやりたいことを実践する場所」、2・3階は「自ら働き方を組み立てる場所」に。1F・2Fが特別公開され、リノベーションにあたってのこだわりや様々な建築設計資料などが展示されていました。
吹き抜けが大胆で開放感がありますね。
天井も敢えて60年前のコンクリが持つ木枠の模様など見せてます。
緑もキャビネットを再利用して飾ってあったり
なかなか見ごたえがありました。
築地本願寺
次は銀座・築地エリアへ。築地本願寺やSHUTL(中銀カプセルタワービル カプセル再活用)は残念ながらすでに特別公開は締切でした。
カトリック築地教会
カトリック築地教会は東京最古の教会。ギリシャ神殿のような聖堂。
ハルモニアの演奏もあったそうですが、間に合わず。
資料室には踏み絵や懸賞訴人の高札、マリア観音なども
井筒屋
奇跡的に残った築100年の貴重な銅板貼り町家「井筒屋」。「ギャンブレル屋根」や、現在は技術継承者のいない建築意匠「亀甲貼り銅板」が特徴的。この日の公開はありませんでしたので外観のみ。
旧宮脇ビル(川崎ブランドデザインビルヂング)
銀座、昭和通りで唯一の近代建築「旧宮脇ビル(川崎ブランドデザインビルヂング)」。全国的にも珍しい陶板のような加飾タイルの外観。2013年老朽化が進み廃墟寸前で解体が決定していたビルを、建築好きの現オーナーが保存を決断し、自ら現場に立ちリノベーションしたそう。
内部は企画展が行われており、40分待ちの行列ができていたので、こちらは並びませんでした。
国際ビルヂング
続いて丸の内エリアへ。国際ビルヂング、新東京ビルヂング、明治生命館(丸の内 MY PLAZA)の建築資料の特別展示は5/25まででしたが、一応巡ってみたところ。少し建築資料のパネルは展示してありました。
新東京ビルヂング
明治生命館(丸の内 MY PLAZA)
古典主義建築の最高傑作と名高いのが「明治生命館」。1997年に昭和期の建築として初めて、国の重要文化財に指定されました。
東京ステーションホテル
東京駅の南コンコース円形ドーム下の2階の回廊にも建築資料が特別展示されていました。東京ステーションホテルの一部なので、ホテルやバンケット&レストランに用があれば普段でも入れるそうです。
色々巡って、多彩な建築や興味深いリノベーション事例など、沢山観ることができました。
東京建築祭でなくても観ることができるところもありますよ。