ブロガーフェスティバルなどを主催してきた奥野大児さんの呼びかけで、9月26日に「第1回 #sAIku師の会」が開催されました。「sAIku師」の由来は「細工師」です。細工師は、金属や木材、象牙などの素材を細かく加工し、装飾性や精密さを大事にして仕上げる職人のことで、AIを使って細かな手仕事をする人を現代の細工師になぞらえて名付けられました。
久しぶりにお会いするブロガー仲間も多く、同窓会のような雰囲気でした。ブロガー時代と変わらずライフハック色の濃いAI活用事例がたくさん紹介され、とても刺激を受けました。
会場は渋谷のコワーキングスペース「AI Village produced by SHIDAX」。奥野さんがこのスペースを取材したことがきっかけで、「AI関連のイベントならぜひ」と無償で会場を提供していただいたそうです。
AceDo株式会社は、「自分の業務改善ツールを自分で作れる人」を育てるAI研修を行っている会社です。渋谷では、AI時代の仕事場「AI Village」も運営しています。
料金は月額33,000円で、すべての席とイベントスペースを使えます。ドロップインなら1時間550円から利用できるそうです。
毎月第1・第3金曜日の16:00〜16:50には、Shibuya Cross FMで「J100 RADIO ~AI時代に100億を目指す経営者の決断と、その背景にあった物語を、ラジオから~」が放送されています。会場で放送をみんなで聴き、そのままビジネス交流会を行うイベントも開催しているそうです。
タムカイさんは、日々のライフログをためておき、AIで作った道具やキャラクターを使って自分の物語にしていくことを目指しています。
「メタクリ様」は、会話に割り込まず、横でボソボソつぶやくキャラクター。
「Qrio」は、メールの下書きや予定管理をしてくれる秘書エージェント。
犬型ロボットの「ぽちたろう」は、家族の予定管理やレシピ考案から、しいたけ占いの通知までこなします。
こちらはAIライフログデバイスの「Looki」です。
Lookiの行動ログとAIエージェントの作業ログがたまっていくので、自分で書かなくても自分の記録が残ります。
残った言葉をつなげる部分の仕組みは、特許にしたそうです。
「AIで作った秘密道具で物語にするのが楽しい」という言葉が印象的でした。
AIを使っていると、同時に進める作業が増えてタスクが積み上がり、疲れてしまいがちです。Max_Ezakiさんは、やるべきことを整理してくれる「Work OS」としてAIを使う方法を紹介しました。
仕事も家族との時間も含めて、やりたいことを作業フォルダごとに分け、それらをまとめて管理しています。
毎朝、AIとすり合わせながらタスクの優先順位を決め、その日のスケジュールを組みます。
週次で、翌週のタスクを仕分けてAIと一緒に決めます。この繰り返しです。使うツールも、自分に合うものをAIで自作しています。
AIと相談して「今何をすべきか」をはっきりさせておくことで、疲れずに効率よくタスクを片付けられるそうです。
スマートライト株式会社の中畑隆拓さんは、AIで顧客ごとにカスタマイズした無料PoCを作り、ビジネスを広げている事例を紹介。
中畑さんはスマートライトを使った照明制御システムを手がけていますが、顧客が知りたいのはシステムそのものではなく「導入してどんな効果が出るか」です。
生成AIを使ってみると、顧客に合わせたダッシュボードを簡単に作れることがわかりました。
ダッシュボードをすぐに作れるので、無料PoCも提案しやすくなります。顧客も効果を実感しやすくなり、商談につながりやすくなったそうです。
ものくろぼっくすの大東信仁さんは、自宅のM1 Mac miniでClaude Codeを動かし続け、さまざまな作業を自動化している事例を紹介。
iPhoneからMac miniに接続して操作し、Claude Codeが止まらずに動き続けます。
たとえば、iPhoneでボイスメモを録音すると、iCloud経由でMac miniに同期されます。それをきっかけにWhisperで文字起こしをし、Claude Codeで要点を整理して、最後にプログラムでPDFや動画を作ります。
YouTuberのアリマックスさんは、YouTube運営に役立つ自作AIツールを3つ紹介しました。
1つ目の「テロップスタジオ」は、日本語テロップを作成・編集できるツールです。Final Cut Proとの連携や、話者ごとの色分けにも対応しています。
2つ目の「横動画ショート変換」は、横長の動画を文字起こしして見どころを自動で抜き出し、縦型のショート動画にするツール。
3つ目の「マルナゲドン」は、台本・ナレーション・縦型動画の素材を入れるだけで、縦型ショート動画を自動で作るツール。
タツヲさんは、Claude Codeで開発してCloudflareで公開するまでを学べる教材づくりや、セミナーの活動について話しました。
ITエンジニアではない人向けの入門サイト「vibecodingnotes.com」を作って公開しています。
教えている内容は、ブラウザ経由やWranglerを使ったデプロイといった初級編から、GitとGitHub、作業メモの管理、公開後のセキュリティ点検といった開発の基礎まで幅広いです。さらに、アクセス制限やデータベース(中級)、ソーシャルログインを使ったアカウント管理(上級)なども扱っています。
教えていると毎回いろいろなトラブルが起きるため、内容は継続的に更新しているそうです。
資料もAIで作り、最後に自分で試して直すという進め方です。
Dave Tanakaさんは、AIを使ったゲーミフィケーションで「褒められる」ことを原動力にし、自分を動かす仕組みを紹介。
Fitbit Airをセンサーにして、日々の活動を記録しています。
以前は、やらないと恥ずかしい記事が公開される「懲罰式」でしたが、かわいい分身が褒めてくれる「褒め駆動式」に切り替えました。
AIで作った「俺モチベーション」が、日々の活動を褒めてくれます。花火やご褒美、声の演出もあります。
意志の強さに頼らず、自分が自然と動きたくなる仕組みを自分のために作る、という考え方です。
あきおさんは、AIで作った服探しの仕組みを中心に、さまざまな事例を紹介。
まず、過去の全身コーディネート写真を集め、自分の好みをAIで言葉にします。
次に候補の服を比較し、イラスト化した自分や手持ちの服と組み合わせてバーチャル試着します。在庫がないものは、見つかるまで探し続ける仕組みも作成。
身近な困りごとをAIとの会話で手伝ってもらい、それを繰り返し使える道具にしていく流れです。
ほかにも、AI社員やオフィスの可視化、AIによる動画作成支援、3D解説映像の制作など、多彩な事例が紹介されました。
しゅうまいさんは、愛用していたスマホのタイマーアプリが突然起動しなくなったため、自分のニーズに合うものをAIで開発した事例を紹介。
自作アプリは自分の使い方に合わせて作り込めるので、元のアプリより自分にとって使いやすくなったそうです。
基本機能は1日で動くようになり、実質8日間で完成しました。
日々のちょっとした不便も、AIを使えば解決できる課題に変わります。
月約3,500円で、困りごとを助けてくれるドラえもんの道具を作れる時代になっています。
「違法広告バスター」として活動する土橋一夫さんは、違法なネット広告を取り締まるための仕組みづくりを紹介しました。
怪しいネット広告を取り締まるには、広告を記録して矛盾を明らかにする必要があり、そのコストは膨大です。
そこで、ネット広告を記録し、AIでリスクを判定(スクリーニング)するシステムを作りました。
分析やレポートの作成にも対応しています。
システムづくりにも生成AIを使い、サーバーは自宅に置いています(HDDは合計104TB)。
大事なのは、課題を解決したいという意志と、「直感的にできるはずだ」というゆるい確信を持つことだそうです。
意志を持つには日経新聞、確信を持つにはITパスポート。または承認欲求を持とう。
jMatsuzakiさんは、やりたいことを一か所にまとめて管理し、いろいろなアプリを入口にすることで、AIの力で実際に動けるようにする仕組みを紹介。
TaskChute Cloud 2をタスクのマスターデータベースにして、人それぞれに合った入口(アプリなど)から使えるようにしています。
「人間が船長で、AIは船」。やりたいことを、AIの力を借りて実行に移すための考え方です。
仕事の情報はすべて1つのフォルダにまとめています。自分の仕事の原則、プロジェクト、知恵、経験を統合して、必要なときに取り出せるようにしているそうです。
詳しくは著書『戦略的「無計画」』で読めます。
懇親会では、登壇者や参加者の方からさらにいろいろなお話を伺うことができました。
私も仕事でプロトタイプを作るときにClaude Codeを使ったり、趣味でローカル生成AIやClaude Codeで何ができるかを試したりしています。今回の皆さんの話に刺激を受けて、仕事だけでなく生活の中でももっとAIを活用していこうと思いました。
登壇者の皆さま、参加者の皆さま、そして会場をご提供くださったAceDo株式会社さま、ありがとうございました。