信じられないテクニックで急峻な岩山をバイクで登る 迫力の全日本トライアル選手権 #ヤマハバイク

今まで全日本ロードレース選手権、全日本モトクロス選手権の観戦ツアーにお誘い頂いたヤマハ発動機さんから今回は全日本トライアル選手権のお誘いが。もちろん喜んで参加してきました。
2016年、2017年の東京モーターショーショーでのトライアルデモンストレーションでもそのテクニックに感動してぜひ試合を見てみたいと思っていました。

観戦したのは愛知県のキョウセイドライバーランドで開催された全日本トライアル選手権の第６戦。

何とYAMAHA FACTORY RACING TEAMの監督で元全日本チャンピオンである木村治男さんが観戦に同行。見どころなど解説して頂けました。

トライアルはコース上に設定された採点区間（セクション）をいかに減点なく走れるかという競技。
こちらの会場では13のセクションと2つのスペシャルセクションが設置されています。
コースと言ってもレース毎に自然の岩場にコースを設定しているそうで、毎回変わるそうです。

セクション内にはクラス別にゲートがあり、このゲートを通過していきます。
足つき1回で1点、2回で2点、3回で3点の減点になります。転倒、セクション外に出る、マシン後退、足つき中のエンジン停止などで失敗となり5点減点。また制限時間があり、時間内にゴールできなければ減点もしくは失格。
とてもシンプルなルールで見ていても分かりやすいです。
2ラップ（2周）して減点の少ない（持ち点の多い）ライダーが優勝。

足つきがあると審判が減点の札を示しますので、さらに分かりやすいです。

選手には一人パートナーが付きます。パートナーがコースや残り時間などのアドバイスします。
キャディーがついてコースを周るゴルフみたいな競技です。

午前中にすでに1ラップしていて、観戦を始めたのは2ラップ目。
大岩へのジャンプが見どころの4セクションを観ました。

YAMAHA FACTORY RACING TEAMの黒山健一選手。全日本選手権で通算11回のチャンピオンを獲得してきたトップライダーです。2017年全日本トライアル選手権（IAS）現在2位です。

見事なテクニックとバランスで岩場の斜面を登っていきます。

大岩へのジャンプも見事成功。

YSP京葉×KEN OKUYAMA RACINGの野崎史高選手。IAS現在3位です。
ヤマハの応援グッズを持って、このお二人を中心に応援します。

野崎史高選手も見事クリーン（減点なし）でクリア。

第8セクションへ移動。
去年から新設されたレディースクラスの方がトライされていました。
Victory&メーテル 小谷芙佐子選手

宗七音響WiseBetaTeam 西村亜弥選手

HRCクラブぱあわくらふと 小玉絵里加選手

第8セクションはかなり難しいらしく、失敗や時間切れの方が多かったですね。

何とか立て直そうとする姿も

HRCクラブMITANI 小川友幸選手。2013〜2016年チャンピオン。2017年IASも現在1位。黒山選手、小川選手のライバルです。

難しいコースを難なくクリーンでクリア。さすがです。

黒山選手。

崩しそうになっても上手くバランスをとってリカバリ。

黒山選手もクリーンでクリア。

野崎選手。あとで知ったのですが、この時点でトップだったのですね。

残念ながらこのあと失敗してしまい5点減点。この失敗が痛かったですね。

次は10,11セクションへ。見晴らしの良い岩場ですね。

黒山選手はマシントラブルらしくこちらでもパートナーと時間いっぱいまでメンテナンスをされてました。コース上でマシンを触れるのは選手とパートナーだけらしいです。

野崎選手はクリーンでクリア。

黒山選手は10セクションで1失点。

11セクションはクリーンでした。

洗車場もありました。

このあと、第2スペシャルセクションへ。
自然ではなく人工物のブロックや大きなタイヤが設置されています。

特に最後のブロックは高さ2m近くもある垂直な崖。少し下り坂で助走も取れません。

各選手はどのように走るかイメージしながら、コースを観察していました。

スペシャルセクションを走れるのは上位者のみですが、それでも失敗の連続。

そんな中、クリアする選手には大きな拍手が送られていました。

宗七音響WiseBetaTeam 小川毅士選手はタイヤの隙間にはまりながらも

何とかリカバリ。

最後のブロックも見事クリア。

黒木選手は残念ながら最後のブロックで落下。この時、足を少し痛めたようで心配です。

野崎選手も最後のブロックで落下してしまいました。

小川友幸選手は1失点でクリア。トータル減点7で優勝しました。

トライアルの試合は非常に近くで観ることができ、その迫力と選手のテクニックに感動しました。またぜひ観てみたいです。

トライアルは選手の年齢層がとても広いのが印象的。
清水寧郁選手（15歳）はOT125で唯一参加。

OTオーバー50からは喜岡修選手、金山一成選手が参加。

レディース 1位 西村亜弥選手、2位 小玉絵里加選手、3位 小谷芙佐子選手

シャンパンファイトも

国際B級 1位 磯谷郁選手、2位 山中悟史選手、3位 和田弘行選手

国際A級 1位 永久保恭平選手、2位 氏川政哉選手、3位 平田貴裕選手

国際A級スーパー 1位 小川友幸選手、2位 野﨑史高選手、3位 黒山健一選手

大会毎の順位でポイントが加算されます。
小川選手は今大会で黒山選手に5ポイントの差をつけて12ポイントのリード。ヤマハ勢は苦しくなりましたが、最終戦も頑張って欲しいです。

9/24にスペインで開催されたトライアル国別対抗戦 「2017FIMトライアル・デ・ナシオン」で、日本代表チームが世界3位に輝いたそう。日本代表チームは、小川友幸選手、黒山健一選手とトライアル世界選手権に参戦中で2004年世界チャンピオンの藤波貴久選手の3人。
トライアルは日本選手が世界に通じる実力を持っている競技です。

ちなみに元全日本トライアルチャンピオンで黒山健一選手の父、黒山一郎氏が結成したブラック団に、黒山選手、野崎選手、小川選手、藤浪選手みんな所属していたのだそう。
そういえば、黒山選手、小川選手は、今年の東京モーターサイクルショーのトライアルデモストレーションでも息ピッタリでした。

これは黒山選手が乗っていたTYS250Fi。市販されていないマシンです。

ロードレースやモトクロスとくらべて非常に軽量・コンパクトに作られているそう。

ちなみに会場となったキョウセイドライバーランドはキョウセイ交通大学という名前も持っています。企業の安全運転研修などを行っているそうです。
また、トライアルやジムカーナなどのモータースポーツイベントなどに場所を貸出し。そのときはキョウセイドライバーランドという名前を使っているそうです。

KRiSP（二輪車安全運転練習会）というのもやっているそうですよ。

トライアルについて詳しく教えて頂いたヤマハの皆様、キョウセイ交通大学の皆様ありがとうございました。

最後は参加者全員で黒山選手と記念撮影。選手の皆様、参加の皆様ありがとうございました。