#中欧旅 #ポーランド #ワルシャワ で パスポートなし さて、どうする？

ワルシャワでのトランジット中にパスポートを失くしたことを伝え、空港の遺失物係（Lost & Found）に駆け込みましたが、返ってきた答えは「届けなし」。あっさりと突き放され、希望は見えません。

Geminiに相談しつつ、「これはもう再発行しかないか…」と腹をくくり、次は空港近くの警察へ。事情を話すと、メモ用紙にメールアドレスを書いて渡され、「ここに連絡すれば返信するから」と、あまりにそっけない対応。しかも英語がほとんど通じないため、翻訳アプリで必死にポーランド語に変換しながら会話する羽目に。心細さが募ります。

打開策を求めて日本大使館に電話をかけるも、なかなか繋がらず。結局、思い切ってタクシーに乗り、大使館まで向かうことにしました。空港から比較的近いとはいえ、道のりはおよそ40分。車内では「もしこのまま日本に帰れなかったら…」という不安が頭をよぎります。

ようやく辿り着いた日本大使館。入口で手荷物検査を受け、中に入ると小さな窓口がひとつ。事情を説明すると、まず提示されたのは二択――「緊急旅券を発給するか、それとも帰国のための渡航書を発給するか」。
どちらの書類でも申請したら翌日には発給できるとのことだったので、旅を続けられる「緊急旅券」を選ぶことにしました。必要なのは――戸籍謄本と顔写真。

そういえば昔、海外旅行の準備マニュアルに「顔写真や戸籍謄本の予備を持って行くと安心」と書いてあったのを思い出しました。しかし今回、私はオンライン申請でパスポートを取得したため、紙の戸籍謄本も写真の予備も持ってきていません。

慌てて家族に連絡するも、役所はすでに閉まっている時間。途方に暮れかけたその時、ふと頭をよぎったのが――「電子発給された戸籍謄本って使えるんじゃない？」という疑問。
早速マイナンバーカードとマイナポータルを開き、「戸籍電子証明書提供用識別符号」を確認して提示してみたところ、なんとこれでOK！
救われた思いでした。

残るは顔写真。場所を尋ねると「少し離れた米国大使館の近くにある」とのこと。急いで向かい、証明写真を撮影して再び日本大使館へ。その後は「紛失一般旅券等届出書」と「一般旅券発給申請書」を記入し、なんとか申請までたどり着きました。
「いつ緊急旅券ができるかは約束できないが、できたら電話します」との話で、大使館を後にしました。
不安でいっぱいだった数時間がようやく形になり、「これでなんとかなる」と胸を撫で下ろした瞬間です。

気がつけば、もう昼を過ぎていました。緊張と手続き続きで空腹を感じる余裕すらなかったのですが、ふと落ち着くと一気にお腹が空いてきます。

Google Mapで近くのレストランを探し、見つけたのが 「Diverso Ristorante Italiano」 さん。テラス席もありましたが、この日は少し暑さを避けたくて店内へ。

洗練されたインテリアで、とても素敵な雰囲気です。

ランチコースは46PLN（ズウォティ）、赤ワインをつけても66PLN（約2,700円）。この価格でワイン付きコースをいただけるのは、ポーランドならでは？

ランチでは、まず チリの赤ワイン「Aetos Reserva Privada」 を。濃厚でしっかりとした味わいが心を落ち着けてくれます。

前菜は野菜のクリームスープ。さつまいもチップが添えられていて、濃厚ながら優しい口当たり。

メインは大きく厚みのある豚カツ。ジューシーで旨みがしっかりしていて、ウィーナーシュニッツェルよりも好みでした。マッシュポテトとトマトの付け合わせも相性抜群。

デザートはバナナクリームにグラノーラがたっぷりな一品。軽やかな甘さで締めくくり、大満足のコースでした。

――ハプニング続きだった午前中から一転、ようやく心から「ほっと一息」つけた瞬間。

次に待つのは宿探し。大使館にいた在留日本人の方に教えていただいた「ノボテル ワルシャワ セントリウム」へ向かいましたが、残念ながら空室なし。仕方なくGoogle Mapで検索し、Agodaから予約できるホテルを確保しました。

チェックインまではまだ時間があったので、通りかかったチェコ料理店 「U Szwejka」 さんへ。スタッフの愛想がとても良く、制服も可愛らしい雰囲気。

「本当なら今ごろチェコにいるはずなのに…」と思いつつ、チェコの定番ビール ピルスナー・ウルケル を。

さらに Kozelのカット（ハーフ＆ハーフ） も追加で。

お腹はいっぱいだったので料理は頼みませんでしたが、せっかくならチェコ料理も試せば良かったかな…と少し後悔。
会計を済ませると、なんとシェリー酒をサービスしてくれました。

ほっとしたのも束の間。予約した宿「My Beloved Warsaw Centrum」に向かってみたものの、それらしき建物が見当たりません。通りがかりの人に尋ねると「ここはアパートの一室で、入るには暗証番号が必要」とのこと。
しかし、手元の予約確定メールにはそんな情報は見当たりません。

とりあえず記載されていた電話番号にかけてみると、「どのプラットフォームで予約した？」と聞かれたりしてやり取りの途中――なんと、スマホのバッテリーが切れてしまいました…。

途方に暮れつつ、「もう別の宿に切り替えた方がいいか」と近くの「ホテル メトロポル」へ。フロントで聞いてみると、やはり空室なし。名札カードをつけた人たちが次々と訪れていて、どうやら学会か展示会があり、近くのホテルはほぼ満室のようでした。
藁にもすがる思いで「スマホを少し充電させてもらえませんか？」とお願いすると、フロントの方が快く承諾してくださり、本当に助かりました。充電が戻ったスマホを確認すると――暗証番号など入室方法が記載されたメールが届いているではありませんか。

何箇所かで暗証番号を入力しながら、ようやく部屋に到着。

中はとても清潔でおしゃれな空間。

調理器具も揃っていて、近くのスーパーで食材を買えば自炊もできそうです。

窓からの眺めも良く、ようやく「泊まれる場所に辿り着いた」と実感しました。

長い一日の終わり。疲れ切った体をベッドに預けつつ、翌日に備えて調べものをしながら、ふと今日出会った人々の優しさを思い返します。
――波乱万丈だったけれど、忘れられない一日になりました。