2026年9月4日から12月20日まで、墨田区で「すみだ五彩の芸術祭」が開催されます。
東京23区では初となる自治体主催の総合芸術祭で、その名の「すみだ五彩」は、水墨画の世界で“墨に五彩あり”といわれる表現に由来しています。墨と筆遣い、余白の妙によって無限の色を描き出すように、芸術を通じて地域や人の魅力、そして“すみだに暮らす喜び”を再発見していく——そんな思いが込められています。
芸術祭のコンセプトは「発気揚々(はっきようよう)」。作品を観て歩き、参加して、語り合う。その繰り返しの中で新しい出会いが生まれ、芸術を起点に誰もが自分のペースで心地よくいられる地域を育てていくことを目指しています。
そのプレイベントのひとつとして、2025年10月24日、隅田公園そよ風ひろばで「未来を生きるあなたへ」と題したコンサートが開催されました。
隅田公園は、関東大震災(1923年)からの復興のために整備され、東京大空襲(1945年)後には多くの犠牲者が仮埋葬された場所でもあります。
2025年の今年は、太平洋戦争の終結からちょうど80年。震災と戦災という二度の大きな悲劇を乗り越え、今の穏やかな日常があることへの感謝、そしてこれからの平和への祈りが、音楽と朗読を通して静かに、力強く伝わってきました。
あいにくの冷たい雨の夜でしたが、会場には多くの観客が集まり、音楽に耳を傾けていました。
雨音とともに響くメロディーが、過去と未来、そして人と人を優しくつないでくれる——そんな、心に残るひとときでした。
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