12/13には東京カメラ部 THE GALLERYで開催されたシグマ新商品体感イベントに参加してきました。
シグマの山木社長自ら、下記の新商品の開発の話やシグマのビジョンなどを教えていただきました。
150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sports
150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary (未発売、2015年1Q?)
18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM | Conremporary
dp Quattroシリーズ専用LCDビューファインダー LVF-01 (未発売、年内?)
超望遠ズームとしては軽量コンパクトであったAPO 150-500mm F5-6.3 DG OS HSMの後継機を開発するにあたり、重視したポイントは次の3点。
1.高画素時代に対応した高光学性能として、特に倍率色収差を削減する
2.高剛性、高耐環境性、防塵防滴機構など
3.軽量、コンパクト
さらに焦点距離を600mmまで伸ばすということで、1や2と3の両立は難しく、とても悩んだ結果、1や2に重点を置いた150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Sports(右)と3に重点を置いた150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary(左)を発売することにしたのだとか。
だから同じ焦点距離、絞り値のレンズが2種類もあるそう。
といっても違いはそれほど大きくなく、防塵防滴機構、撥水・防汚コーティングの最後面、直進ズームの操作性などで、妥協無く最高性能を詰め込んだのがSports、コンパクトさを少し優先したのがContemporaryって感じですね。
50-600mm F5-6.3 DG OS HSM Sportsのレンズ構成は23枚。うちFLDガラスを2枚、SLDガラスを3枚使うことで、600mmでの倍率色収差を低減しているのだとか。
FLDガラスは蛍石と同等の性能を持つ透過率に優れた超低分散ガラスで、色収差の低減に効果を発揮するそうです。
カメラ本体よりも交換レンズは可動部分が多いので防塵防滴機構の実現は難しいのですが、赤色のところすべてシーリングしていくことで、高い防塵防滴を実現したそうです。
テストもしっかり行っているそうで、非常に細かな塵をいっぱいかけたり
強い雨を再現したり。
撥水・防汚コーティングを最前面と最後面に実施。普通のガラスだとこんな風にマジックで書けるのに対し、
撥水・防汚コーティングをすると、弾いて書けないのだとか。
このレンズでの撥水・防汚コーティングを実現するために設備も増設したそう。
フォーカスモードにはAF, MFの他にMO(マニュアルオーバライド)モードを搭載。コンティニュアスAF中にもピントリングを回転させるとマニュアルフォーカスに切り替わるそう。
手ぶれ補正OSモードも2つあり、モード1は一般的な手ぶれ補正、モード2は流し撮りに最適な手ぶれ補正モード。
加速度センサーを利用して縦位置でも横位置でも縦揺れのみ補正することで、水平方向の流し撮りに最適な手ぶれ補正を実現しているそうです。
また、ズームロックスイッチは主要な焦点距離で固定可能になっています。しかも最短以外はズーム操作すれば自動的にロック解除する仕組みになっています。
レンズフロント部を持って伸縮させるズーム操作(直進ズーム)も可能になっています。
150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Sportsは、これでもかと詰め込んだ超高倍率ズームになっていますね。
1.4倍と2倍のテレコンバーターも新開発。F8までのAF対応。
テレコンバーターといいつつ、7枚とか10枚とかのレンズ構成でSLDガラスも使用されていたりします。
実はシグマは創業時にレンズとカメラの間に入れて用いる2倍のテレコンバーターTelemac 2xを発明、開発してヒットしたのが始まりだそう。
18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM Conremporary
こちらはかなりコンパクトな高倍率ズームレンズになっています。
しかし、中身はFLDガラス4枚、SLDガラス1枚、非球面レンズ3枚を含む17枚のレンズ構成の豪勢な作りになっています。
これによって、特に望遠側の色収差を低減し、高画質を実現しているそう。
マクロ機能(最大撮影倍率1:3)も。別売りで専用設計のクローズアップレンズ(1:2)もあるそう。
dp Quattroシリーズ専用LCDビューファインダー LVF-01
これも材質等とてもこだわっているそう。たしかに見やすかったです。
最後に山木社長からシグマの方向性についても話がありました。
デジタルカメラが高画素化、短命化、コモディティ化する中で、レンズは高性能レンズの需要が増し、ライフサイクルが長期化、資産化し、レンズは写真にとってより重要なデバイスとなると考えている。
シグマは”Small Office, Big Factory”の合言葉のもと、共通部門を小さく、技術部門を大きく重要視して、会津にある垂直統合型工場を中心に技術を保持。
グローバルに安いサプライヤーから調達し、税制等有利な地で製造するという世の中の流れとは異なり、ローカル調達・製造するということにこだわっているそう。
最高性能を生み出す技術を磨き・発展させ、何かあればフェースツーフェイスで集まれる技術者集団。良いですね。話を聞いていてシグマを応援したくなりました。
この後、1時間のシグマ製品の貸出し、撮影体験がありました。これについては別記事で。
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