JAL 空の快適をつくる客室訓練部に潜入

 

リンクシェアセミナー「JAL(日本航空)機体整備工場見学会」の続きです。今回はCA(キャビンアテンダント:客室乗務員)さんの仕事と客室訓練部の見学について書きたいと思います。
CAの訓練の様子などはドラマなどで見たことがありますが、実際に訓練する施設に潜入し、CAのサービス要員としての姿、保安要員としての姿を見せて頂きました。




JALの客室乗務員は、日本人7千名、外国人千名の約8千名、JALWAYSやJALエクスプレスを合わせると10,700名ほどいるそうです。入社2ヶ月間で専門訓練を受け、乗務を開始し、1年毎に契約を更新し4年目で正社員に切り替えられるとか。
客室乗務員には、安全の確保を客室側から支援する保安要員と、快適な空の旅を提供するための世話を行うサービス要員としての役割があります。それぞれの役割を学ぶために救難訓練やサービス訓練を実施しています。

「きさくで美人」というのをサービスの目標として掲げ、「サービス品質評価制度」としてHuman Elements, Technical Elementsとして項目を定義し、品質を客観的・総合的に評価する仕組みを作っているようです。そして低品質層の底上げを図り、ばらつきの是正を行うとともに全体の品質を向上させるようにしているそうです。

サービスの訓練を行う施設でシャンパンとおつまみのサービスを受けながらCAのお仕事を教えて頂きました。

シートはビジネスクラスの座席です。ビジネスクラスは数回しか乗ったことがなくほとんど縁が無いですがw

機内アナウンスから始まりました。

エリア毎に専属の担当が決められているそうです。

ファーストクラスで出しているJOSEPH PERRIER Champagneを頂きました。

とても美味しいのでお代わりしてしまいました。

おつまみもw。

シャンパンをこぼしてしまっても迅速に丁寧に対応されていました。


CAの仕事は、掲示物の確認、機内販売の準備、路線情報の確認、アロケーションチャート(乗務員の配置)の作成、出発前のブリーフィング(パスポートとか必携品の確認も)、飛行機への移動、フライト前のチェック(非常用機材や救命用具の点検、客席の機能、備品の確認、食事の搭載数、ギャレー(厨房)内の電気系統、カート内のチェック、料理の内容(調理方法や盛り付けも)、販売用ターミナルの確認など)、コックピットブリーフィング(メンバーの確認やフライト情報(どこで揺れが予想されるとか)、連絡方法、お客様情報の確認)、非常灯のチェック(脱出指示系統、インターフォンを含む)、セキュリティチェック(不審物がないか)、登場する旅客の案内や荷物の取り扱い、出発(手荷物収容状況の確認、ドアモード、安全の案内、安全確認など)、料理(ファーストクラスは一皿ずつ盛り付けるし炊飯もするらしい、エコノミーはスチームオーブンで加熱)、機内販売、交代で休憩食事、2度目の食事/軽食、到着前(搭載品収納、保税品処理、会計処理、上着の返却、安全確認)、到着後(忘れ物チェック、旅客引継、整備への状況引継)、ブリーフィング(振り返り、会計処理、提供した食事のDB入力、提出書類作成、次のフライトの確認など)といった感じらしいです。
とても詳しく教えて頂きました。結構忙しそうですね。

運航乗務員との連携も。

こちらがファーストクラスのシート。

フルフラットになって休むことができます。
ファーストクラスを利用するお客様は空間を買っていると言う感じで、結構人によって過ごし方は違うそうです。
乗ってみたいなぁw。

次は訓練を行う教室などを見せて頂きました。教室が並んでいる姿は学校のようですが、教室はレースカーテンで外から見えるようになっています。実際に見学者もいるそうですが、常に人に見られている意識をつけるためだそうです。

これは語学学習の教室。皆の声を録音して聞くことができるそうです。


メイクアップの教室。機内と同じくらいの明るさではえるメイクを練習するようです。また鏡が傾斜しているのは全身を見ることができるようにするためらしいです。

ここにも「サービス品質」の項目が書かれていました。

廊下にこんなものがあったりしました。

こちらはリカー教室。機内で提供されるリカーについて学んだり、カクテルの作り方を学んだりするみたいです。
機内は酔い易いので、大丈夫と思っていても立った瞬間に倒れたりするお客様も多いのでほどほどに楽しんでくださいとのことです。当然、客室乗務員も運航乗務員も機内ではお酒は飲まないとか。

リカーカートは40kgくらいあり、機内も飛行中は2度ほど傾いているそうなので、結構重いとか。


先ほどの客室訓練室付近にはギャレーもあります。

料理は上のスチームヒーターで温めてカートに入れ替えて運ぶそうです。

ホワイトボードにはこんな図が。

心臓マッサージの訓練用の人形(アンちゃん(だったと思う))です。救命訓練も毎年実施するそうです。

さて次は保安要員としてのCAの姿を体験する海上不時着のシミュレーションです。
今度はエコノミークラスの座席に座ります。なんだかかなり窮屈に感じてしまいました。

日本語と英語で着陸時の体制等の説明があります。かなり大きな声で説明されます。

救命具もつけてみましたが、いつも飛行機に乗るときに説明があるにもかかわらず、着方が良く分かりませんでした。教えてもらいながらなんとか装着。

どこから脱出するかなど指示されます。また脱出に協力してもらう人を選んで非常ドア前での作業を手伝ってもらうようです。
不時着の時は映画ハッピーフライト(ANA協力でしたね^^;)でやっていたように客室乗務員が着陸態勢をとるように「頭を下げて!ヘッドダウン!」を繰り返します。
ボートへ脱出するところまでシミュレーションしました。

実際にこのような状況を経験したスタッフはいないようですが、このように訓練をしっかりやっておくことで、万が一の場合にも備えています。

歴代のCAの制服なんかも飾ってありました。

最後はCAや運航乗務員の制服をきて記念写真。

おみやげにポーチとチョコを頂きました。

チョコには手描きのメッセージが添えてありました。
帰りはリムジンバスで空港まで送って頂いたのですが、多くのスタッフが並んでいつまでもバスに手を振ってくれていました。
客室乗務員と話す機会なんて普段ないのですが、非常に気さくに色々な話を教えて頂きました。飛行機に乗っている時もぜひ気軽に声をかけてくださいとのことでした。
整備工場とあわせてとても楽しい5時間でした。
やっぱり日本の航空会社を使わなきゃと思った見学会でした。
JALの整備士、客室乗務員、運航乗務員、営業の皆様、Linkshareの皆様、参加者の皆様ありがとうございました。

saya: