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6/1にAMNの紹介で、ベタープレイス・ジャパン主催の「世界初バッテリー交換式電気自動車を用いたEVタクシー試乗会ブロガーミーティング」に参加してきました。
経済産業省資源エネルギー庁と実験しているEVタクシープロジェクトのプレゼンを聞いたり、EVタクシーに試乗したりしてきました。
私も昔「電気自動車の充電に時間がかかるなら、交換式にすれば良いんじゃない?」なんて言ってたりしましたが、ベタープレイス・ジャパンはそんな単純な発想からすばらしいモデルを考えて、電気自動車の普及によるCO2の排出量削減を推進しているような会社でした。



ベタープレイスはイスラエルの会社で、イスラエルは80%、デンマークは180%のガソリン車課税があるため、EVを購入する動機になるそうですが、自動車業界を抱える日本や米国、フランスなどは経済性が成り立たない。そこで着目したのがタクシーで、強みを活かせるニッチなところから始めて広げる、液晶TVや携帯電話のような普及方法を狙っているそうです。
タクシーの場合、既存のLPG燃料コスト(150万)が、EVタクシーの電気代(20万)、バッテリー償却費(70万)、ステーション償却費(20万)を合わせたコストより大きいため経済性が成り立つ。またタクシーは全体の2%の台数だそうですが、走っている時間が長いため20%のCO2排出量となり、近距離用セカンドカーにならざるを得ない自家用EVよりも環境インパクトが大きいとタクシーならEVのメリットを引き出せるとか。

さらにバッテリーを交換式にすることで、充電に時間がかかるデメリットを克服(動画はバッテリー交換の様子)。約1分で交換できるので、タクシーのように1日300km走行しても問題が無い。また、タクシーだと車種が限定され、バッテリーの種類も抑えられるため交換の効率が良い。
既存のLPGステーションも老朽化が進んでいるため、充電・交換ステーションへの転換も図れるし、EVタクシーが広告塔になり、EVの良さに触れ普及にもつながる。
東京は、ニューヨーク、パリ、ロンドンを合わせたよりもタクシーの台数が多いらしく、日本の自動車、バッテリー、省エネ等の技術と結びつくことにより、EVタクシーのモデルをパッケージ化し、東京から世界に広めようとしているそうです。
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ベタープレイス社は、EV自体を生産する訳ではなく、自動車メーカーにEVのバッテリーを脱着式にしてもらうことで、高価なバッテリーは交換式で使っただけ使用料をもらうバッテリー交換・充電のインフラ(交換ステーションやチャージスポット)を提供することで、EV自体を安価に、サービスステーション並の密度のステーションで長距離運転でも心配のない環境を提供としているそうです。さらにITシステムを利用したより効率的な運用も検討されてます。
なかなか良く考えられたモデルでとても感心しました。
実際CO2削減をするためにはさらに再生可能エネルギーなどが必要になると思いますが。
現在は、EVタクシーを3台導入し、六本木ヒルズのタクシー乗り場を中心に運用しているらしいです。日本交通がタクシー運用を、東京R&DがステーションやEVの製作を、六本木ヒルズがタクシー乗り場を、そして虎ノ門にバッテリー交換ステーションを置いて、ベタープレイス・ジャパンが実証事業統括をしているそうです。
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これがバッテリー交換ステーション。タイヤが溝にはまることで定位置にタクシーが止まるようになっており、床がスライドして抱えていたバッテリーを取り外し、充電済みのバッテリーを取り付けるようになってます。バッテリーはラッチ式で短時間で着脱可能になっています。
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ステーション内部にも入らせて頂きました。バッテリーは200kgあるそうでかなり大きいです。機械が動いて自動で着脱する他、空いている位置にバッテリーを収納して充電します。
今回の実験では余裕をもってバッテリーを12台用意して、充電電圧によるバッテリー劣化の違いなども検証しているとか。
バッテリーと機械類が結構大きくて、ステーションの場所が必要な感じがしましたが、実用化時にはもっと効率的に出来るようになるんだと思います。
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もちろんガソリンエンジンはありません。EVは始めて乗りましたが、試乗したときはあまりの静かさに驚きました。
3名ずつ8回くらい試乗が行われたのですが、ちょうど私の乗った回でバッテリー交換のエラーが起こってしまいました。こういったところの安定性も課題のようですね。
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社内にはナビの他に運用システムと連携した乗務員向けiPhoneが搭載されていました。
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運行管理者向けにはこのような地図で現在地を表示したりできるのはもちろんですが、
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過去にどのようなところを走ったかなんかもわかるそうです。
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EVのスピードや走行距離、ステーションまでの距離、モーター・インバーターの状態、バッテリーの残量や温度、シフト、アクセル、ブレーキの状態など様々な情報を取得しています。
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こういった情報を分析しながら、効率的な運転方法や運転者の心理状態まで分析しているとか。写真はiPadで分析画面を出しているところ。
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ユーザ向けにはタクシー乗車場にこのような案内表示があったり、
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PCやiPhone、iモードでタクシーの位置情報を表示(近日公開予定)
betterplace
EVタクシーがtwitterに自動的につぶやくなんて機能もあるそうです(6/1公開)
私は乗用車も持ってないし、タクシーも滅多に乗りませんが、なかなか興味深い内容や経験でした。ぜひ東京がEVタクシー発祥の地として発展して欲しいです。
おみやげにエネループをもらいました。タクシーもエネループ時代ってことですね。
ベタープレイス・ジャパン、AMN、ブロガーの皆様ありがとうございました。

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