11/17はAMN主催の「テクノロジーの力で、町全体をスマートに〜未来を支えるIBMメインフレームの価値〜」ブロガーミーティングに参加してきました。前回のIBM100周年とテクノロジーの未来に関するイベントに引き続き、スマート・シティやメインフレームという異色のテーマながら詳しい話が盛り沢山でとても楽しめました。
まずは日本IBMスマーターシティ技術戦略担当執行役員の岩野和生氏より、Smarter Citesに関する熱いプレゼンがありました。
ITは企業の無駄を見える化、最適化などによりなくしコストを低減、さらに情報連携や予測などを組み合わせ成長を実現してきました。
これを社会の無駄をなくし社会コストを低減することに応用し、社会問題を解決したり社会イノベーションの促進を目指している。
しかし社会問題、都市問題の主役は人。人が幸福になることが重要。地域性もあれば課題も様々。IBMではこの様々な問題に対応するために、ビジネスプロセス最適化するためのアーキテクチャやコンポーネントモデルなどのように、都市の課題解決のアーキテクチャやコンポーネントを整理し、その組み合わせで様々なスマーターシティプロジェクトを短期間で設計/導入できるようにしているそうです。
このあたりはシステムエンジニアには分かりやすいアプローチでなるほどと関心しました。
IBMは世界中の様々なスマーターシティプロジェクトを手がけているそうで、沢山の事例を紹介して頂きました。この動画はリオネジャネイロで実際に稼動しているシティオペレーションセンター。センサー情報や天候予測などから災害を早期発見し、危機対応を迅速に行っているそうです。
ただ、社会問題、都市問題を解決するためにはそこに住む人や多種多様な企業・自治体等の合意形成が不可欠。ビジョンやグランドデザインを共有して、各プレーヤーが得意分野で貢献し、住民もそのリターンに納得するということが成功の鍵で、ボトムアップ的な寄せ集めではだめだとか。
これも、1社がソリューションをすべて提供するのでなく、沢山のソリューションの組み合わせて、顧客の課題を解決するITと似たような話ですね。
このスマーターシティを支える技術として、リアルタイムの大量データ処理、予測分析/シミュレーション技術、安定した情報インフラ技術などが必要となる。社会インフラになるので、非常に高い可用性とセキュリティ、性能とコストのバランスが重要。
社会インフラのコストを低減したいニーズがあり、最近のクラウド技術、コンピューティング性能でようやくそれが可能となった今だからこそ、スマーターシティなのですね。
次は話は変わって、日本IBM System zテクニカル・セールスの中島政信氏のSystem zの可用性、セキュリティの話。現場のSEとして起こしてしまったシステムダウンの話や個人的に経験した個人情報の漏洩の話から、その影響を個人の幸せの話に置き換えて考えると非常に影響は大きい。
社会インフラでは可用性、セキュリティが重要というのを実体験の例で示していたと言うのは面白かったです。
でも、メインフレームのSystem zなら部分障害が全体障害に繋がることがない。ノーダウンは当たり前。
ウェブアプリケーションでもユーザID、業務ID、端末IDなどの特殊レジスターで制御しているなどのため、セキュリティも万全。と言った話に繋げていました。
ただSystem zを検討の土俵に上げるためには、良い話だけでコストや制約等の弱点も教えてもらえればより良かったと思います。
これは、会場にあったメインフレームのプロセッサー。
日本IBM System z事業部長の朝海孝氏も飛び入り参加。ミッションクリティカルな基幹システムに求められる連続稼動、セキュリティ、災害対策、オンデマンドなどは変わらない。オープンシステムの堅牢性を上げるより、メインフレームの機能を時代に合わす方が早道だと考え、メインフレームをオープン化、ハイブリッド化する方を選択。S/360から基本アーキテクチャー、理念は変わらず、47年積み重ねた歴史と技術でこれらの要求を実現している。
オープンシステムになって複雑さが増大し、全体としての擦り合わせ設計は顧客個々にするしかなくなってしまっていたのに対し、基幹システムのために予め全体としての擦り合わせ設計がなされたメインフレームをオープン化したオープンメインフレームやそれを利用したプライベートクラウドが見直されているとか。
スマーターシティにはSystem zをというような単純な話ではなく、スマーターシティのプロジェクトも企業のビジネスプロセス最適化もITシステムもSystem zも大きさが違うだけでアーキテクチャー的な考え方が相似形になっているのがとても面白いと感じました。IBMがSmarter Planetというビジョンを唱えている意味が少し分かったような気になりました。
日本IBM, AMN, ブロガーの皆様ありがとうございました。
USTREAMでのイベントの録画はこちら。
中島氏のスライドはこちら。