昨晩、ビッグデータ時代の新マーケティング思考−マーケターにとってのビッグデータ活用とは何かというセミナーに参加してきましたので、メモを載せておきます。
ビッグデータ時代の新マーケティング思考」という本の出版記念セミナーで著者のデジタルインテリジェンス株式会社代表取締役社長・横山隆治氏、株式会社オプト取締役会長海老根智仁氏、デジタルインテリジェンス株式会社取締役・鹿毛比呂志氏によるプレゼンと、DSP(Demand Side Platform)専業の株式会社フリークアウト代表取締役・本田謙氏を含めたパネルディスカッションが行われました。
本はまだ読んでいませんが、興味深い内容だったので読んでみようかな。


○デジタルインテリジェンス 横山隆治
デジタルマーケティングをやっている
データドリブンに判断することがポイント
データをもって、今起きている事実を把握
データをもって、その原因を知る
データから、それに対する打ち手(施策)を考える
データから、結果を予測する
ネット広告ではDSPを使ってリアルタイムに分析している
ネット広告で得られた知見をマス広告へ展開している
広告に反応した人のプロファイルからどんな人か分析、想定ターゲットが当たっているか判断し、ネット広告を最適化する
デジタルマーケティングはすべての広告を最適化すること
ビッグデータの特徴は3つのV
・Volume 量
・Velocity スピード
・Variety 非構造化データ
非構造化データxリアルタイムの事例
Color Forecast
パリに設置されたライブカメラからカラー情報を取って、モード情報をインフォグラフィックス的に配信
リテイラー TARGET社
予測分析モデルに基づく販促を行っている
妊娠予測モデル ベイビーシャワーレジストリの分析
ベビー服のクーポンを送って、親も知らなかった子の妊娠が判明した事例などが話題に
アウトプットの仕方には注意しないといけない
顧客データと未来の顧客のデータ化
Data Management Platform 下記のような情報を統合すべき
・CRM/メールマーケティング
・ソーシャルアイデンティティ・マネージメント
・DSP
・WEB解析ツール/CMSツール
・SFA
・POSデータ
・マス広告
・調査
ヴォーンのマトリックスにおける衝動的購買はタイミングが重要
多数のユーザのネットの全ログを分析、リアル購買行動データと掛け合わせ、特定の購買行動の予兆行動を把握する
マーケティングROI
トータルアトリビューション
重回帰分析とパス解析による影響度の可視化
○デジタルインテリジェンス 鹿毛比呂志
現場視点でデータドリブンなマーケティングプラットフォーム構築支援などを行っている
ポイント
・データドリブンなマーケティングコミュニケーションにおける勘所
・各接点に点在するデータを一元化する
・一元化したデータをセグメント化する
・セグメント化したデータ、顧客に対して、再び各接点で活用する
・顧客に対してベネフィットを提供する、企画、メッセージ、クリエイティブに昇華させる
・ゴール設定に対するKPI、中間コンバージョンを設定することは、成果評価のために補助線を引くということ
・取り組みに必要なスキルと人材像、体制について
ビッグデータの分析と活用
マーケティングの成功とは、売り上げ・シェア拡大、ロイヤリティ獲得
下記のような情報を統合する
・流入元マネジメントツール
 3PAS
 自然検索
 リスティング広告
 ディスプレイAD
 外部パートナーサイト
・マス広告、調査
・WEB解析ツール
 SiteCatakyst等
・店舗来訪・購買捕捉、調査
・CRMマネジメントツール
 Responsys等
・ソーシャルマネジメントツール
 Gigya等
オンライン広告は自社サイトやCRMだけでは成果が飽和(個別最適)
DMPで第三者配信情報と掛け合わせる
成果データ一元化/再配分
KPIの再定義とWEB解析刷新
AD/サイトコンテンツ/メール連動シナリオ
必要人材はコミュニケーション領域、テクノロジー領域と広範に及ぶ
2軸
・広告・ツール<>システムインテグレーション
・コミュニケーションデザイン<>統計・解析
必要人材
・広告マン レガシー系・獲得系
・ツールベンダー
・リサーチャー
・システムインテグレーター
・サイト制作・CRM企画運用
・データマイナー
総合プロデューサーも必要
○オプト 海老根智仁
企業姿勢を変えて、重要性の合意を得る事も重要
下記の情報を統合する
・センサー情報
・WEB関連情報
・ソーシャルメディア上のユーザの声
・POS情報など
実行する新能力 データサイエンティストが必要
新しい組織の考え方
支援するIT環境
人がポイント
デジタルCMOみたいなポジションも必要
エンドユーザーのニーズの高次化
ニーズ<ウォンツ<高次ウォンツ
マーケティングセグメントの変容
横割り→縦割り
性別・年齢・地域・心理・ライフスタイル・行動
⇒高次ウォンツ ペルソナのような形で分ける
ターゲットを規定するのではなく、ターゲットを想定、反応者で拡張していく
PDCAを長期間でまわすのでなく、短期にPDCAをまわす
WEBベースでマーケティング
予算をフレクシブルにする
○DSP利用現場の実際 フリークアウト 本田謙
2010年創業 DSP専業
顧客を想定した提案を行わず結果に基づき提案する
育毛剤
リターゲティングのみ実施
CPAのみで測定
一見効果が良かったが新規顧客が少なくリピーターが多かった
広告配信しなくても再購入したのでは?
広告配信していないので、見込み顧客は減る一方
刈り取りのみで先細り
拒絶するユーザ比率が非常に高い
Admute機能で配信停止時にアンケート
リターゲティングは嫌われやすい
リピーター向けと新規向けでクリエイティブや配信方法を使い分ける
リピーター向け コンバージョン後1ヶ月後経過したユーザのみに配信
新規向け LPのみ来訪、検索後すぐ離脱、商品詳細まで、ケースごとに場合分け
CPAのみで測定することの問題をクライアントに理解いただく
リターゲティング、リスティングが良く見える指標
購買直前を捉えているだけ
新規顧客にはディスプレイ広告が有効
間接効果、アトリビューションを計測
経路分析によるオーディエンス属性の変化
間接効果の可視化
広告接触回数によるコンバージョンの変化
拒絶が起こらないように配信方法の改善
拒絶しそうなユーザに配信しない
広告拒絶とCPAとは逆相関
クリエイティブ数を増やすことで追われている感をなくす
恒常的にパフォーマンスをあげていく
想定でなく、あくまでもデータ
反応したオーディエンス、実証データ
買い付け先ボリューム 面を押さえる
豊富な配信レポート 問題発見と次施策決定
多様なターゲティング手法 打ち手が多い
○パネルディスカッション
・フリークアウトの人材の割合は?
エンジニア20、広告運用20、営業20
・エンジニアの獲得手段は?
最初の1年は一人で開発
エンジニアのコミュニティなどから即戦力を取っている
・ビッグデータで世の中が変わるのか?考え方は変わらずデータが多くなるだけでは?
一人のマーケターの頭の中で仮説、その検証にデータを使っていたが、一人では発想できないことをデータから抽出するようになる
データから文脈を読み出すマーケターが必要となる。そのために自分でオペレーションできるデータサイエンティストの育成も必要
マーケティングのオートメーション化が進む、特定の行動にリアルタイムに反応して施策を打つとか
・データの統合は多方面にわたるが、どこから始めればよいのか?
自社にとってインパクトがあるところからはじめる
イノベーションが必要なところ、影響が大きなところから
すでに個別にはやっていると思うので、効果がありそうと感じられたり、リニューアルしようとしていたりするところ
・マスマーケティングへの応用は?
従来マスの認知はノンターゲティングで行うしかなかった
顧客化した人に似た人をリターゲティング拡張することで、広告枠にいるオーディエンスを捕らえ、検証できるようになる
・日本の企業文化における課題もある
マーケティング、営業、システムなどの交流が少なかったり、人事交流があってもすぐに移動したり
特定分野のスペシャリスト荷ならなければならず、かつ他領域の理解も必要
現場適応力は高いが、経営層の理解が低くギャップがある
結局代理店任せになってしまうことも多い
クライアント側でデジタルマーケティングの重要性を理解している欧米との差が広がる懸念
・欧米での状況は?
コンサル、広告代理店、サービス・ビジネス開発などが一体的にデジタルマーケティングに取り組んでいる
マーケティングコミュニケーション視点から事業・サービスに転換
クライアントとサプライヤーの人事交流がある
広告主側の視点が確立している
デジタルエイジェンシーのランキング上位に急遽IBMが浮上したり
・個人情報の問題は?
個人情報の取り扱いについては課題が多い
欧米ではTVなどのサービスが無料の理由などをしっかり理解しているが、日本ではそうではない
最初にベネフィットを提示し、活用させてくださいというスタンスが良い
個人情報は個人の財産でトレードオフしてよいという認識の普及が必要
広告はベネフィットと思いにくいので、コンテンツの用意も必要
ベネフィットは楽しい、美しい、面白い、お得など
匿名で情報を扱うのは当然だが、スマートフォンの広告情報を集めるだけで、電車降りるタイミングが分かったりする
できることとやっていいことの判断が難しい
海外と日本のルールの違いもある
・リアルとの連携は?
ログインIDなどのキーでオフラインの接触などとつなげる
センサーデータの活用が考えられる
スポーツシューズ店では店頭に赤外線カメラを配置して、動線を分析していたりする
USTREAM: ビッグデータ時代の新マーケティング思考
Amazon: ビッグデータ時代の新マーケティング思考

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