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ちょっと間が空いてしまいましたが、ソニーフラッグシップモデル ブロガー限定先行体験会で聞いてきた開発ストーリーの続きです。次はウォークマンNW-WM1Z/WM1A編です。

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2011年くらいから市販のウォークマンを改造して、部品を変えることで音が良くなるようにしていたという開発者の方。商品開発としてではなく、ちょっとでも良い音にするにはどうしたら良いかと興味本位で試行錯誤する、そんな技術者の音へのこだわりから生まれたのがウォークマンのフラッグシップモデルNW-WM1シリーズです。

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まずは中身の基盤から。ハイレゾフルデジタルアンプS-MASTER HXを搭載。ICは新しく開発したもの。
これにより、11.2MHzまでのDSDのネイティブ再生(バランス接続時のみ)、PCM38.4kHz/32bit再生に対応した。
アンプは6つ搭載しており、シングルエンド用に2つ、バランス接続用に4つ使っている。

アンプ部の電源には新開発の高分子コンデンサーFT CAPを搭載。AVアンプSTR-DN1070でも使われているものだそう。
聴き比べていくうちに非磁性体の銅メッキを使うことで音の特性がなくなることが分かった。
通常Walkmanで使わないサイズだけど大きい方が音が良いということで採用している。

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発振器は倍のサイズに。水晶の下にICを並列に配置することでノイズを減少させている。

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オーディオ部とパワー部を上下で分けるような基盤レイアウトになっています。
アナログ出力をWM-PORTから出すには上からグランドを持ってくる必要があるため、大出力になったのでWM-PORTの規格を変更して、USBのデジタル出力のみ対応としたとか。

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今回のNW-WM1シリーズでこだわっているのがキャビネットの材質。
楽器が真鍮で作られていることから、NW-ZX1を真鍮のキャビネットにしてみると、低音はすごく出るが、高域は伸びない。
抵抗率が関係するのではないかと考え、ZX2では中に銅板をいれたとか。

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ZX2の開発後は様々な種類のアルミで試作。

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抵抗率を下げるためにアルミ純度を上げると音が良くなることが分かった。

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銅メッキして金メッキしてみる。

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今度は興味本位で銅を使ってみる。作ったらものすごく音が良かった。
10円玉の匂いがします。

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非磁性体の下地メッキだけしてみる。

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銅の筐体の試作が困難で、多くの試作メーカーから断られる。
試作だけで量産しない約束で量産メーカーに作ってもらった。

これが音が一番良かった。量産するつもりはなかったが、上層部に知られて…

大きなサイズで音が良くなるのは当たり前なので小さくしろというプレッシャーの中、ZX2よりもさらに大きいWM1を発売することになった。

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NW-WM1Aにはアルミ材を削りだした筐体を使っている。

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NW-WM1Zには銅の棒材から削り出した筐体を使っている。
このサイズで1.8kgもありずっしり重いです。

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銅には金メッキを施しているが輝かない金色になっている。
通常金メッキでキラキラと光る輝きはニッケルメッキによるものだそうですが、この磁性体のニッケルメッキを行うと音に悪い影響を与えることがわかったためだそう。

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WM1Zの内部ケーブルにはKIMBER KABLEを使っているそう。

NW-WM1Z/WM1Aは、ソニーストアでそれぞれ、299,880円、119,880円。音にこだわりを持った技術者が、少しでも良い音を実現するために、枠にはまらず様々な試行錯誤を重ねて、ありったけのノウハウを投入した製品だということがよく分かりました。

ソニー、AMN、参加ブロガーの皆様、ありがとうございました。

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  1. ピンバック: ソニーフラッグシップモデル 30万のウォークマンと20万のヘッドホンの組み合わせを体験 #音のこだわりの全て | Digital Life Innovator

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