クラウドファンディングで1億円調達を達成したシチズン「Eco-Drive Riiiver」。私も支援して愛用していますが、「なぜシチズンはクラウドファンディングを選択したのか」というEngadget meetupが開催されたので、話を聞いてきました。
イベントでは、シチズンがEco-Drive RiiiverをGREEN FUNDINGでクラウドファンディングした理由や、クラウドファンディングにまつわる裏話など多彩な話を聞くことができました。
シチズン時計 オープンイノベーション推進室 室長 大石 正樹氏
GREEN FUNDING代表(株式会社ワンモア代表取締役CEO) 沼田 健彦氏
まずは、大石氏よりRiiiverの説明から。Riiiverは腕時計ではなくて、その裏側にあるオープンIoTプラットフォームです。
Riiiverは、製品の機能をパーソナライズする、「機能」自体を作り共有するためのプラットフォーム。
そのパーソナライズと機能の共創コミュニティで、時(ライフスタイル)をクリエイトすることをコンセプトにしています。
機能であるiiideaは、トリガー・サービス・アクションの組み合わせで作れます。
iiidaの例:トリガー「時計のボタンを押したら」、サービス「現在の天気に合わせた」、アクション「音楽を再生する」
このRiiiverが利用できるデバイスの一つが腕時計の「Eco-Drive Riiiver」。
Eco-Drive Riiiverのボタンががトリガーとなってiiidaを利用することができます。スマホを取り出す必要がありません。
Eco-Driveなので、ケーブル充電が不要。スマホ連携で自動で時刻修正したり、ファームウェアアップデートしたりできます。
アクティビティやライトレベルの計測・ログも可能。
こんなEco-Drive Riiiverをクラウドファンディングした理由は「仲間集め」。Riiiverのようなコンセプトの実現には今までにない協力者が必要で、早くそういった仲間を見つけ一緒に創りあげたいとクラウドファンディングを利用した。
クラウドファンディングというと資金集めと思われて上司等に誤解されることもあったが、予想以上の支援をもらったり、生の声が聞けて、クラウドファンディングをやって良かった。
次は企業とクラウドファンディングについて。
・どういうプロダクトやサービスが向いているか?
クラウドファンディングには、主に商品開発とコンテンツ開発がある。コンテンツ開発は知名度が大きく影響したりするが、商品開発は世界初のチャレンジ等そのコンセプトが魅力的かが重要。背景や何を求めているのかがはっきりしているワクワクするチャレンジに支援が集まる。ロマンを求める男性の支援が多かったが、最近は状況が変わってきている。
・メリットやデメリットは?
Eco-Drive Riiiverでは、既存の流通・販路外の出会いがあったのがメリット
反響がないというリスクもあるが、逆に言えば始まる前に気付けて、次に生かせるということ。
リスクとしてはアイデアをコピーされて競合製品が早い時期に出てくることがある。
世界的に特許を取るのはコストがかかるし、中国メーカー等が常にチェックしているので、真似できないものが良い。
クラウドファンディングはプロトタイプがあるかなどプロジェクト審査が厳しくなっている。
クラウドファンディングで持ち込まれる製品は、ものは良いけどデザインやネーミングのセンスがいまいちのものもあり、そういった製品はアドバイスをすることもある。
GREEN FUNDINGでは、二子玉川の蔦屋家電+で実際の商品を触れられるようにしたり、メディアと連携したプロモーションをおこなったりしてプロジェクトを支援しているそう。
最近、Eco-Drive Riiiverをはじめ、色々クラウドファンディングで支援したり、商品を紹介したりしているので、クラウドファンディングの裏側の話を聞けてとても興味深かったです。
会場にはGREEN FUNDINGのプロジェクト商品が色々展示されていたので、それらについては別の記事で書きたいと思います。
シチズン時計、GREEN FUNDING、Engadget、参加の皆様、ありがとうございました。
Eco-Drive Riiiverの特徴的なデザインは、プログラミングエディタ等の配色などから考えられたみたいです。
Eco-Drive Riiiverは11/28から一般販売されるそうです。
他のシチズンの腕時計も展示されていました。
シチズンアテッサ ブラックチタンはとっても軽量でデザインも素敵ですね。