先日のプレス発表会で少し体験したメタバーススマホ「HTC Desire 22 pro」とVRグラス「VIVE Flow」との組み合わせ。HTC様よりレビュー用にお借りすることができましたので、その使用感を書きたいと思います。メタバースとかは実際に体験してみないとよく分からないですからね。
HTC Desire 22 proの付属品はUSB-Cケーブルのみ。
お借りしたのは日本限定カラーのサルサ・レッド。曲線の模様が印象的です。
セットアップについては、一般的なAndroidスマートフォンと同様にできます。
VIVE Flowは本体の他に、USB-Cケーブル、ノーズレスト、フェイスクッション、マイクロファイバーポーチが付属しています。
フェイスクッションやノーズレストはマグネットで簡単に着脱可能。ノーズレストは焦点距離ダイヤル調整時に使います。
本体左上(装着時基準)にボリュームボタンと右上にヘッドセットボタンがあります。
右側のテンプル(つる)にUSB-Cコネクタが付いており、ここにモバイルバッテリーやスマートフォンなどを接続して電源供給する必要があります。
フロントには左右にカメラが付いています。
本体だけだと189gととても軽量で、かぶるじゃなくてメガネのようにつける感じなのが手軽でとても良いです。
VIVE FlowはDesire 22 pro専用ではなく、様々なAndroidスマートフォンに対応していますが、Desire 22 proはこのVIVE Flowとの組み合わせを想定したHTC製スマートフォンになります。
Desire 22 proにはVIVE関連アプリがプレインストールされています。VIVEアプリを起動して、
VIVE Flowを選び、VIVE Flowを設定することができます。
HTCアカウントにログイン(持っていない場合は新規作成)
VIVE FlowをDesire 22 proかモバイルバッテリーに接続します。
VIVE Flowをオンにして
Bluetoothペアリング
簡単にペアリングが完了。
VIVE Flowではスマートフォンをコントローラーとして使ったり、画面をミラーリングしたりするため、権限を設定する必要があります。
「VIVE」の使用をオンに
システム設定の変更の許可もオンに
MiracastやHDCP2.2に対応しているかのチェック
Desire 22 proはもちろん対応しています。
Wi-Fiの設定(5GHzのみ)
コントローラーとして使うときの初期操作を選びます。
通知の権限設定
VRでスマートフォンを振り回して周りのものにぶつけたり投げたりしないように注意!
このVIVE Flowは焦点距離調整ができるので、メガネ無しで装着することができます。
ノーズレストを取り付けた状態で、VIVE Flowをかけて、レンズ周りの焦点距離調整ダイヤルを回して調整します。
私の場合は左右とも最大の6にするとよく見えるようになりました。
この後はVIVE Flowの方でチュートリアルを見て操作方法を学びます。スマートフォンの画面を上下左右に4分割して、上がVIVEメニュー、下がアプリメニュー、左がセレクト、右がトリガーになっています。スワイプでスクロール操作もできます。
スマートフォンを向けた方向にポインタービームが出るので、そのポインターと、タップや長押し、スワイプで操作します。
ちなみ上記動画はVIVE Flowの画面録画したもの。実際見たものは中心部分が前方に大きく表示され映像で包まれて見えます。向いている方向だけでなく、しっかり6DoFトラッキングができます。片目1600×1600の解像度できれいに見えますね。音はテンプル(つる)から出ていてヘッドホン無しでしっかり聞こえるのですが、周囲への音漏れはそれほどしない感じです。
(画面キャプチャーはVIVEメニューを使って行うこともできますが、ボリュームダウン+ヘッドセットボタンで画像キャプチャ、ボリュームアップ+ヘッドセットボタンで画面録画開始・終了できます)
ホームからアプリを選んで起動。アプリの終了はVIVEメニューで「ホームに戻る」を押します。
VIVEPORT
色々なVRアプリをインストールして利用できます。ゲーム・教育など含めVRアプリが豊富にありますね。(VIVEPORTで提供されているコンテンツは、VIVEシリーズだけでなく、Oculus Rift、Oculus Rift S、Valve Index、Windows Mixed Reality等でも使えるそうです。)
無料と有償のアプリがありますが、定額制「VIVEPORTインフィニティ」メンバーになると600タイトル以上のアプリやゲームがダウンロード可能です。
Vivebrant
色々な真っ白な3Dオブジェクトでできたシーンに色を付けていくことができるアプリ。単純ですがなかなか楽しいです。
Art Plunge
有名な絵画の中に入っていってその世界をVRで体験できます。
この他、VRゲームなど使ってみましたが楽しいですね。
VIVEPORT VIDEO
VR映像を体験できるコンテンツもたくさんあります。
360Channel(サンロクマルチャンネル)
VR動画配信プラットフォーム「360Channel」の360度VR動画を楽しむこともできます。こちらは日本のコンテンツが多く、より親しみやすいかも。無料で楽しめるコンテンツもあります。
VIVE Browser
VR空間内にブラウザを開いて使うことができます。バーチャルキーボードが出てきますが、文字を打つのは結構大変。
ちなみにYouTubeをこのブラウザで開くと、VR動画を楽しむことができます。
(この360度VR動画は私が投稿したもの)
ケータイミラーリング
スマートフォンの画面をVR空間上に大画面表示することができます。スマートフォンの動画アプリなどを使うと映画館のような感じで映像を楽しむことができます。
ただし、スマートフォン用VRゴーグル対応のVRアプリは使えません。VRゴーグル代わりに使えるとより用途が広がるかなと試してみましたが現状無理のようですね。VR映像はファイルでVIVE Flowに転送してVIVEPORT VIDEOで見るか、YouTubeなどに投稿してVIVEブラウザで見るかのようです。
VIVE Sync
VR空間で会議・コラボレーションができます。
会議を設定したり、
場所を移動したり
アプリメニューからブラウザやホワイトボードを出したり出来ます。
さすがにスマートフォンのポインターで文字などを描くのは難しいですが…
メタバースで注目されるリモートワーク・コラボレーションでの利用ですが、こういうコラボレーションツールがどこまで便利に使えるようになるかですよね。ちょっと現状ではなかなか使いやすいというところまではいってませんが、大げさな装置なしに簡単に空間を超えてコラボレーションできるようになる第一歩かもしれません。
VIVERSE
HTCが提案するWebブラウザーを使ったメタバース「VIVERSE World」。Webブラウザでアクセスできるので、特にVRでなくても使えるのですが、VIVEブラウザでアクセスしてEnter VRを押すと、360度VRで楽しめます。
様々なWorldを訪れたり、自分の空間を持ってデジタル資産を配置したりできます。ただDesire 22 pro+VIVE Flowだとちょっともっさりした感じなのが残念。よりサクサク使い勝手が良くなると良いですね。
ちなみにブラウザで動くメタバースとしてNTT XR Worldなどもありますが、残念ながらVIVE FlowでVR表示することは出来ませんでした。(これはNTT XR World側が対応していないためですが)
HTC Desire 22 proは64,900円(税込)、VIVE Flowセットでも114,900円(税込)という価格設定で、他社のハイエンドスマホ1台と変わらない価格でVRグラスが付いてくると考えると、今のスマホはどれもできることは変わらなくて面白くない、もっと未来の可能性を体験してみたいという方におすすめです。VR体験はもちろん、メタバースの可能性を体験することでスマートグラスが当たり前になったときの未来が垣間見れるかも。
HTC Desire 22 proは、ダークオークが10/1、チェリーブロッサムが10/12発売、サルサ・レッドが10月末発売予定です。
HTC: HTC Desire 22 pro