Intelが40年間で最大の転換という新設計のプロセッサー「Intel Core Ultra」が発表された12/15、DELLからはそのCore Ultra搭載の「New Inspiron 13」を同日発売開始するという発表がありました。デルアンバサダーとして、その新商品発表会に招待して頂きましたので、Core Ultraとは?やNew Inspiron 13の実機デモや特長などレポートしたいと思います。(New Inspiron 13の写真は英語キーボードですが、日本発売されるのは日本語キーボードです)
コンテンツ目次
Intel Core Ultra プロセッサー
まず気になる「Intel Core Ultraプロセッサー」とは
AIエンジンを動かすNPUを搭載したり、今まで外付けGPUだったIntel Arc Graphicsをほぼそのまま取り入れたりしつつ、省電力を実現するために全く新しく設計されたプロセッサー。AppleやNVIDIA, Qualcomm、Armなどに対抗するためにIntelが投入したノートPC向けの次世代プロセッサーです。
一番の特長は、タイル・アーキテクチャー。コンピューティング・タイル、IOタイル、SoCタイル、グラフィックス・タイルを3Dパッケージ技術Foveros(タイルの下に配置されているグレーの台のイメージ)で繋ぐというもの。それぞれのタイルは必要とされる性能に応じて製造プロセスを変えることが可能。
今までの技術を川にかかる橋、今回を小川に例え、橋を渡るのにかかる時間より、小川を超えるほうが速いイメージで、低遅延で省電力、高密度のタイル間の通信を可能にします。
コンピューティング・タイルはIntel 4 プロセス技術が使われています。
SoCタイルには低電力アイランドE-coresを搭載。NPU、メディア対応、ディスプレイ、メモリーコントローラーなど様々な機能が搭載されています。爆速のWi-Fi 7(日本では未認可)や次世代動画コーデックAV1などにも対応しています。
このSoCタイルだけでも、動画再生などでコンピューティング・タイルを使わずにかなりの動作が可能となるので、省電力を実現できる。
グラフィックス・タイルは、Intel ARCグラフィックスの名称となり、今までのIntel外付けGPUの機能をほぼ取り入れています。
Xe-LPGとの名称で、Xe-LPの2倍の性能。外付けのXe-HPGとの差はXMX(マトリックスエンジン)非搭載くらい。
レイトレーシングユニットも搭載されています。
今まで主にクラウドで処理していた、生成AIなどもローカルを併用することで低コストにプライバシーを保って実行することができます。
AIを使うことで、今後自然言語での操作などPCの使い勝手が大きく変わることが見込まれます。
インテルはOpenVINOというAI用のツールを提供しており、CPU,GPU,NPUなどへの処理の振り分けを専用コードを書かずに実現できる。
CPU,GPU,NPUをうまく使うことで、AI,ゲーム,画像処理などPCの用途に応じた様々な利便性が実現できそうです。
Intel Evo Edition
Intel Evo Editionは、インテルがPCメーカーと共同で厳密にテストされたユーザーにとって快適なPCの証。
10時間以上バッテリーがもつ、PCを開いてから顔認証して1.5秒以内にデスクトップ表示される、30分以内で4時間分のバッテリー充電可能、熱くなったりうるさくなったりしないなどのテストを行っているそう。
Intel Core Ultra搭載 New Inspiron 13
Intel Core Ultraを搭載し、Intel Evo Editon認定でDELLより発売されるのが、New Inspiron 13。
16GBのLPDDR5xメモリー、QHD+(2560×1600)モニター、MIL−STD−810H認定などの特長もあります。
カラーは従来のプラチナシルバーに加え、ライトピンクが追加されます。
Intel Core Ultra 5搭載、512GB SSDモデルが147,000円、Intel Core Ultra 7搭載、1TB SSDモデルが167,000円。
次世代プロセッサー搭載にしてはかなりお手頃ですね。
受注生産モデルは12/15より販売開始。即納モデルは2024年1月下旬提供開始予定。ビジネス利用も想定されるため、Windows Pro搭載も2024年2月下旬に提供予定。
ビックカメラ有楽町店で12/16よりInterl Core Ultra 7搭載のNew Inspiron 13ライトピンクが先行展示されるそうです。
New Inspiron 13 実機展示・デモ
New Inspiron 13のライトピンク。おしゃれなカラーで、外観もスマートですね。かなり薄型コンパクト。
左側面にはHDMI端子とUSB-C(Thunderbolt 4)端子x2が付いています。
右側面にはUSB Type-A(USB 3.2 Gen1)端子とユニバーサルオーディオジャックを搭載。
会場ではOpenVINOを使った画像生成AI Stable Diffusionのデモが用意されていました。
New Inspiron 13では、テキスト処理をCPU、Unet+・VAE処理をGPU、並行してUnet-処理をNPUに割り当てて実行されていました。
比較対象のInspiron 13は第12世代Intel Core i7搭載機。
Inspiron 13(Intel Core i7)で、29.5秒かかった生成が、
New Inspiron 13(Intel Core Ultra 7)では、11.9秒でした。
Intel EvoのPCではUnisonという機能で、同じWi-Fiに接続されたAndroidタブレットやiPadを外部ディスプレイとして使えるそうです(1台のみ)。
他にもWindows Studio EffectとNPUの組み合わせによるWEBカメラ映像のオートフレーミング(被写体が移動したら自動的に中心にくるようになる)なども見せて頂きました。
まだ発表されたばかりのIntel Core Ultraのため、NPUを活用するツールは現状Windows Studio Effectとか一部ですが、ソフトウェアパートナーは多く、12/18に多くのパートナーが発表予定だそう。
メモリが16GBの軽量ノートパソコンなので、本格的な生成AI用途には少し力不足な感じもしますが、一般的な利用でハイパフォーマンスと省電力を両立できるノートパソコンとして良いと感じました。何と言ってもIntel Core Ultraをいち早く体験でき、それを活用した便利なソフトウェアが次々と登場してくることで進化する点も魅力ですね。
【Dell】New Inspiron 13 ノートパソコン oin5330761001monojp
【Dell】New Inspiron 13 ノートパソコン oin5330560501monojp
デルのコンシューマービジネスのアップデート
ちなみにコロナ禍中に、デル公式サイトDell.comは大幅なアップデートをしたそう。
今まで個人用と法人用が別れていたのを統合し、上部にジャンルごとのアイコンを配置して、製品を探しやすく。
キャンペーンによる価格変動を小さくしたり、キャンペーン期間をしっかりと取ることによって、欲しい時にしっかり検討して購入できるように。
Dell.comだけでなく、どこから買っても同じキャンペーンを受けられるようになったそうです。