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昨日はAMN主催の「ソーシャルメディアサミット2012」にFans:Fansの招待によりブログレポーター枠で参加してきました。
ソーシャルメディアというキーワードが流行語大賞2011にノミネートされるほど注目を浴びている(AMNの徳力氏曰くソーシャルメディアバブル)にも関わらず、はっきりした定義や理解が無い状況で、期待と警戒、成功と失敗が入り乱れている。先行者や有識者のみなさんのパネルディスカッションという形で、ソーシャルメディアが一時の流行に終わらないためにもその可能性や課題を議論する。という企業としてどうつきあうべきか知りたいという人向けのイベントでした。
意訳な部分もありますが、パネルディスカッションでの発言などをメモしておきたいと思います。


テーマ1「ソーシャルメディアの弱点 徹底討論」

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高広伯彦氏 株式会社スケダチ代表取締役/コミュニケーションプランナー
ソーシャルメディアは、人と人のつながりのソーシャルグラフに加え、コンテンツのつながり、サービスのつながりを設計することが重要
ネットがマスメディアを殺すとか、物事を2分割して2項対立で語るのは、物事の見方の不自由さを表している
ソーシャルメディアに弱点があるのではなく、ソーシャルメディアによって、使う人の弱点が浮き彫りにされる
ブランドが人格を持っている場合うまくいく
ソーシャルメディアはソーシャルグラフでつながるため、蛸壺化、村化しやすく、キャンペーンなど一定のコミュニティにしか届かない
他のコミュニティに届けるためにはマス広告との組み合わせが良い
広告の認知度は受け取る側の興味に左右されるため、PRでネタ作りしてからマス広告を行い、さらにPRを行うという手法がある
ソーシャルメディアはいかに会話を生み出すかが、拡散性にかかわる
マス広告を打つとサイトが重くなり客が逃げるので、ソーシャルメディアで盛り上がっている間はマス広告を打たない
ソーシャルメディアでの炎上などはソーシャルメディアの外でも起こっていることを可視化できたにすぎない
ソーシャルメディアポリシーの前にブランドのあり方、ポリシーが必要
いいねを集めるような囲い込み戦略ではなく、ユーザコミュニティに囲い込まれることを考える、企業がユーザにエンゲージメントすることを考える
気持ち、行動にささる広告
会話が発生しないとダメ
ソーシャルメディアとマスメディアには業界の中のディスコミュニケーションがある
無理に相手を説得しようとせず自然な変化を待ち、自分は将来の変化を見据えてキャンペーンの設計、発言する
人をコントロールするよりは自分をコントロールする
クライアントが社内で目立つように支援することはする

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森永真弓氏 株式会社博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所 上席研究員
食べログ騒動で良貨は悪貨を駆逐するとの考えから積極的に投稿するようにしている
ソーシャルメディアの例として感動したのが、マジすか学園のWikipediaで、ファンの心意気が感じられる
マス広告のクリエイティブはWEBに怯えているように感じるが、ちょっとした補完だとどーんと構えていて欲しい
対立構造で不必要に煽る人は叩くことで地位を上げようとしている
ソーシャルメディアを目的と違う組織で扱うと混乱を招く
想定外のことがおきた時の対応の柔軟性が重要
ASIMO西濃運輸などの事例では相互コミュニケーションが良い方に働いた
言い含め、分かり合う姿勢が必要
楽しそうにしている姿をプライベートで広げる
分かってくれないというのはソーシャルじゃない

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中尾孝年氏 株式会社電通関西支社 クリエーティブ局
ソーシャルメディアで世の中が変わる、今ですとか魔法の呪文のようにプレゼンするのが、うさんくさい
PVをTVの視聴者数に換算するような効果測定もうさんくさい
テレビは関係ないコミュニティに話題を撒くのに良いので、ソーシャルメディアと組み合わせの相性が良い
グリコ「アイスの実」のキャンペーンでは、まずマスにAKBの新メンバーの情報を流し、ネットにヒントやネタをちりばめ、ソーシャルのそれぞれのコミュニティで発見したことが発信され、メディアがそれを見て報道するような流れ
撒いた種が発芽して、メディアが刈り取る
コントロールして良いことと流れに任せることがある
ネタバレするタイミングは流れに任せる部分であったが、思った以上に早く2週間くらいだとおもっていたのが24時間くらいだった
自慢しやすいようにしておく、重くしない、遊び方は強要しないなどといった設計をした
ソーシャルメディアとマスメディアのコミュニケーションが少ないのは、我々旧来のクリエイティブのせい
世の中に話題を創り出すという特権が全く違う手法で侵され敵が来たと感じている
私はネットに詳しくないのでとにかく聴くし、表現のプロとして意見も言い、連携して成功事例を生み出すことから始めている


テーマ2「ソーシャルメディアにおける広告的効果測定のあるべき姿」

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津毛一仁氏 アディダスジャパン株式会社 デジタルマーケティング シニアマネージャー
企業としてどうやってリーチできるか
ソーシャルメディアをキャンペーン毎に活用してきたが、アディダスがどういうブランドであるべきか、短絡的なコミュニケーションではメッセージが伝わらない
ワールドカップの事例は同じ体験を創り出すという意味では成功したが、mixiアカウントを使ってストック型になっていない
お客さんと繋がっていける場所を作っていこうという思いで、スクラッチでチャンネルを創り上げた
ストーリーテリングが重要、いかに物語を語れるか、消費者に伝えられるか
FacebookやmixiはBlog調に語るのに向く、Twitterはタイムリーな巻き込みに向く
ランニング向けのクツカス3泊4日最大4足レンタルという企画を実施
広告無しでメディア露出90媒体、CGM 3500ブログ、レンタル数2049という反響を得た
さらに返送せずにそのまま店頭に持ってきて買いたいというお客様も多く、想定以上の効果が出た
他のアカウントとのコラボレーションも実現したい

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室元隆志氏 サントリー酒類株式会社 デジタルマーケティング開発部長
外食市場にアプローチするのにソーシャルメディアを活用、グルメブロガーにアプローチして発信してもらった
ウィスキー市場は下降しており、マスだけで動かない状況だったが、ソーシャルで角ハイボールが話題になった
バナー広告よりソーシャルメディアからの誘導の方が単価が安い(桁2つ)
トリスハイボールでは業務用が缶や瓶の発売に先行する形で、その間CMを打てなかったのに、いかにして認知率を上げるかという課題があった
各エリアの人気グルメブロガーとタイアップして記事を書いてもらったところ、認知アップ効果がはっきり見れた
マイカーで登山口に行く人が多いこと、下山の安全性を考えると、登山でビール飲みたくても飲めないことから、山で飲むならオールフリーというブログ記事コンテストを行った結果、ソーシャルメディアでクチコミが拡散した
マス広告では難しいような絞ったターゲットへの認知もソーシャルだったらリーチできる

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長谷川秀樹氏 東急ハンズ 執行役員 ITコマース部長
新しいことをやる時にガイドライン、ROI、KPIなんてくそくらえ
東急ハンズのような小売りでは、1個の商品が売れても評価されない
ECは店頭売り上げの1%程度にすぎない
facebook 0.3%、twitter 0.1%、コレカモ.net 0.2%
ソーシャルメディアの効果なんて誤差の範囲、意味あるレベルになれば分析、戦略的にやる
陸上で言うとまだまだトレーニングの段階、タイムを測定する段階じゃない
PCよりもスマートフォンを使う時間の方が長い人が多いことから、スマートフォンに投資したい


テーマ3「コミュニケーションやエンゲージメント価値の測り方」

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板橋万里子氏 花王 デジタルコミュニケーションセンター
ピカママは、新米ママ向けの花王製品情報をマンガ仕立てで紹介するサイトとして立ち上げたが、育児の専門サイトではなかったので一般的な育児に関する質問には答えられず、コミュニティを作ってママ同士で解決してもらう形にした
花王は場の提供に徹したが、2〜3年後にお洗濯コミュニティを作って、ハミングフレアのサンプリングなどしたところ、発言率が66%と一般の20%前後と比べて非常に高く、コミュニティ全体も活性化した
テキストマイニングをしたところ、ブロガー施策では機能面に関するキーワードが多かったのに対し、コミュニティでは家族に関する言葉など情緒面のキーワードが多かった
ブランド毎に施策をやりたい、ソーシャルメディアを使いたいと言われたなど、社内の問い合わせに対して目的を明確するよう社内説得するのが大変
申請書を作り、目的、内容、体制などを明確化するようにルール作りをした
定量的なものの測り方が重要
ツイートの伝搬の分析、つながりの可視化を行っている
様々な人と交流して伝搬させる中心人物が出てくることが大切
参加者同士のつながりでモチベーションを維持できる

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高柳直明氏 ANA 営業推進本部 WEB販売部
facebookページはお客様とのコミュニケーションの場と考えている
お客様のコメントに目を通し、双方向コミュニケーションを行っている
SOCIAL SKY PARKでは、テーマ投稿やシェア、eクーポン発行などをしやすくしている
Twitter, facebookと会員情報を連携できる
米国ではアンバサダーを選定し、パーティなどを開催したりしている

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千歳敬雄氏 デル株式会社 コンシューマ&SMB事業部 オンラインマーケティングマネージャー
何かしないといれない、アメリカでも成功事例があるがやっている人がいないなどの理由で始めた
効果測定指標としてネットプロモーター指標NPSを使っている
デルはダイレクトの文化があり、直接コンタクトすること、傾聴の姿勢を重視している
米国にはソーシャルメディアリスニングコマンドセンターがあり、トレンド/競合の動きなどを知るマーケットダイナミックス、噂などをキャッチする未来のリスク回避の分析レポートを提供している 
2万人のアフィリエイターとデルとの関係を可視化したい
お客様に提供しているものは何なのかを整理し、コンセンサスを得ることが重要
手法だけ模倣しても成果は期待できない


テーマ4「企業がメディア化、ウェブサービス化する未来」

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猪子寿之氏 チームラボ株式会社 代表取締役社長
昨年の紅白歌合戦での嵐の演出を担当し、tweetなどで話題になったが、一番力を入れたずっと存在したトラス(ピラミッド型の枠組み)がライブ映像なのに壊れてなくなるという演出について語る人はいなかった
テクノロジーの表現が高度化した結果わけわからなくなっており、深く考えないようになっているのではないか?
提案が受け入れられない時の壁は乗り越えられない
大企業のようにお客様に合わせないといけないことはないため、立場上気が楽
何でだめなの?マスメディアだと強制的に見せられるが、ネットはわざわざ見に来ていること
うけているときは成功する
プレゼンの9割は未来の話をしている

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平野義孝氏 株式会社トヨタマーケティングジャパン プロデュース局 WEBマーケティング室
あまりに自然だと誰も気付かず、種明かしですごいというバズが発生することがある
TOYOTA SOCIAL APP AWARDでは、自分たちで面白いアプリを作成するのは困難なので、みなさんにお願いした
TOY TOYOTAでは、Backseat Driverというアプリで後部座席の子供がゲームを媒介にドライブに関心を持ってもらう、GPS・ジャイロを使って運転者が運転した通りに自分も運転しているように感じられるアプリ
ヱヴァンゲリヲンx箱根町xTOYOTAでは、ヱヴァンゲリヲンへの関心を媒介として車に関心を持ってもらう施策
やってみなければ始まらないが、訴求内容が伝わること、ブランドに固執しすぎないことが重要
もちろん全部当てる意気込みで実施するが、10個作って1個当たれば良いじゃないかと考えている
上司を通すためには説明のタイミングに気をつけている
根回しすると色々注文が付きつぶされるので、ギリギリまで説明せず、退路を断った状態で説明する
もちろんコンテンツが良くないといけない
やれるひととつながるネットワークが重要

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中村洋基氏 PARTY/Creative Director, Founder
企画が受け入れられない時の壁は乗り越えられない
お客様に合わせる案は出さず、自分が面白いと思う案しか出さない
SONYが行ったMAKE TVでは、皆がスマートフォンアプリDOT SWITCHのボタンを押して規定回数を超えればテレビ番組内で爆発が起こる
どれだけ集まるのか分からなかったのでスタート前のボタン連打で規定数をダイナミックに変化させるようにした
結局、800万回押され、ツイッターのトレンドにも載った
関東ローカルの視聴率2.2%でこれほどの影響があるのでやはりテレビってすごい
宇宙兄弟アプリでは皆で同じ時間にジャンプして宇宙に行こうという企画をやっている
楽しいと思えることが重要、ソーシャルインサイト・あるあるに繋がる

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ちなみに当日発表のあったAMNによる2012年 ソーシャルメディア活用企業トップ50はこちらで見ることができます。
かなり業界キーワードなども多く、仕事では直接関係のない立場としては難しい話もありましたが、ソーシャルメディアというものに対する企業側や広告代理店側の理解や活用の具体的な事例を知ることができ、興味深かったです。
ソーシャルメディアサミットの後はAMN5周年記念パーティーがあったので、そちらも参加してきました。
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今回が最後となるらしいアルファブロガーアワード2011の発表がありました。
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その後は懇親会。
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5周年祝いでこんなシャンパンも。
珍しい友人に会ったり、知り合いのブロガーさんと話したり、AMNの中の人と話したりで、楽しい時間を過ごすことができました。ありがとうございました。

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