バルセロナ開催のMWC2019で発表された「Microsoft HoloLens 2」。期待以上の完成度の模様ですね。
初代HoloLensは開発用の位置付けで、実際に使っていて色々課題もありましたが、HoloLens 2はビジネス用としており、かなり力が入っています。
まずは視野角が2倍。初代はかなりホログラムを重ねられる範囲が狭かったので、仮想オブジェクトを置いても一部しか見えなかったりしましたが、視野角が広がるとよりMixed Reality(複合現実)感を感じられると思います。アスペクト比3:2の2Kディスプレイが使用されているので、より精細に表現されます。
Display | |
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Optics | See-through holographic lenses (waveguides) |
Resolution | 2k 3:2 light engines |
Holographic density | >2.5k radiants (light points per radian) |
Eye-based rendering | Display optimization for 3D eye position |
ボディの素材はカーボンファイバーでより軽量に。装着したときのバランスも良くなっているそう。初代同様、ケーブルレスで単体で動作します。メガネを付けたまま利用も可能。
初代Hololensは特殊なモーションでコントロールしていましたが、新しい深度センサーとAIで10本の指の動きを認識して、より自然な操作で仮想オブジェクトを動かしたり押したりといった操作ができるようになります。
リアルタイムのアイトラッキング機能(瞳の動きを追尾する機能)や音声認識による操作などにも対応しています。
Human understanding | |
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Hand tracking | Two-handed fully articulated model, direct manipulation |
Eye tracking | Real-time tracking |
Voice | Command and control on-device, Natural Language with internet connectivity |
SoCはIntelのAtomからSnapdragon 850へ。Windows Holographic Operating System(Arm版Windows 10のHolographic版)を搭載しています。初代は良くアプリが落ちたり熱暴走したりしていたのですが、これで解消されれば良いですね。虹彩認証を利用したWindows Helloの生体認証機能にも対応。
USB-Cも搭載でUSB PDの充電も可能。
Compute & connectivity | |
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SoC | Qualcomm Snapdragon 850 Compute Platform |
HPU | 2nd generation custom-built holographic processing unit |
WiFi | 802.11ac 2×2 |
Bluetooth | 5.0 |
USB | USB Type-C |
カメラは静止画8Mピクセル、動画フルHDで撮影可能。
残念ながらGPSは付いてないようですね。屋外での使用はどうなんだろう。
Sensors | |
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Head tracking | |
Eye tracking | |
Depth | Azure Kinect sensor |
IMU | Accelerometer, gyroscope, magnetometer |
Camera | 8MP stills, 1080p30 video |
初代から環境マッピングのトラッキングは優秀でしたが、6DoFのトラッキングも可能となっているよう。
Environment understanding | |
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6DoF tracking | World-scale positional tracking |
Spatial mapping | Real-time environment mesh |
Mixed reality capture | Mixed hologram and physical environment photos and videos |
付けたままバイザーのように跳ね上げることもできます。
他のロケーションにいるユーザーがホログラフィックとして登場し、MR空間で共同作業を行なうアプリケーションなども開発されているとか。
Trimble Connect for HoloLensは建築現場向けにヘルメットと一体化したHoloLens。このようなカスタマイズにも対応。
価格3500ドルで初代の5000ドルよりも安くなっています。また、月額125ドルで利用できるDynamics 365 Remote Assist付きのプランも用意されているそうです。HoloLens 2は、米国、日本、中国、ドイツ、カナダ、イギリス、アイルランド、フランス、オーストラリア、ニュージーランドで最初に利用可能。日本も入っています。でもHoloLens 2の予約サイトhttps://www.microsoft.com/en-us/hololens/buyにはまだ日本は入っていませんね。早く使ってみたい。
同時にHoloLens 2にも使われているAzure Kinectセンサーを使った、Azure Kinect DKも発表。AIセンサーで、先進的なコンピュータービジョン/音声モデルを実現します。深度センサー、空間マイクアレイ、ビデオカメラ、方位センサーを1つにした小型デバイス。SDKが付属しています。昔Kinectを使って遊んでいましたが、こちらも面白そうですね。