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12/16にAMN主催の”大人のオーディオ”ビクター ウッドコーンスピーカーブロガーミーティングに参加してきました。
私はホームシアターのサラウンドシステムはもっていますが主に映画やTV用途で音楽をそれで楽しむことは少なく、専らiPod touchで通勤時に音楽を楽しんでいると行った感じで、ウッドコーンというのも言葉は聞いたことがありましたが、音を聞いたことはありませんでした。
ホームシアターのスピーカーと比べたら非常に小さなこのコンポのウッドコーンスピーカー(EX-AR3)がどんな音を奏でるのかを新橋ビクタービルの地下音楽スタジオで体験してきました。
また、ウッドコーンスピーカーの生みの親自身による、商品開発にかける強いこだわりと実現への努力を感じることができました。


まずは日本ビクターの紹介がありました。
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ビクターの蓄音機を聴く犬のマークは、1889年に画家バラウドが描いた「ニッパー」という兄の犬で、兄が亡くなった後も蓄音機に吹き込まれた兄の声を聴き入るニッパーの姿を描いた絵ということです。この話に感動したベルリナーが1900年商標として登録し、日本では日本ビクターがそれを引き継いでいるとか。

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ビクターのブランドについては、ブランドブックなるものがあり”The Perfect Experience”というブランドステートメントや「音楽と映像で新しいコミュニケーションを実現する」という事業ビジョンについて書かれているそうです。ここまではありがちですが、この「新しいコミュニケーション」を定義するのに左写真のような言葉が使われているそうです。確かに高品位と一言で言っても伝わらないですが、こういう文章があると技術者はそのビジョンの実現に向け更なる感動を伝えるためにがんばれるのですね。
ビクターはソフトもハードも手がけているので、レコーディングスタジオでアーティストの思いを込めたマスターテープをいかに忠実に再現し感動を伝えることができるのかにこだわって商品を開発しているそうです。実際、ウッドコーンスピーカーはスタジオでモニタースピーカーとして音楽制作に使われ続けられているとか。

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さて、本題のウッドコーンスピーカーの開発について。一番の思いはスピーカーは音楽を奏でる楽器でありたいということでした。楽器のように振動板を何とか木にできないかというのが始まりでした。

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実は20年前にも木材シートの張り合わせでスピーカーを試作しているが、変形等で安定品質が得られず量産化できなかったそうです。
自然な減衰特性を持ち、最も理想に近い物性値をもつ材料が無垢の木材の中でもカバの木らしいです。

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普通に木の薄板シートをプレスしてもどうしても割れが発生してしまうと言う問題に突き当たる。
そんなとき、行きつけの飲み屋のスルメが良く伸びるのは日本酒に漬けておいたからだと言う話をヒントに、薄板シートを日本酒に漬けておくことでうまく整形が可能になったとか。

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でも、それだけでは高温多湿な環境で形が変わってしまうという問題に突き当たり、熱硬化性樹脂をうまく使うこと(普通に使うと木の音色が失われる)で約4年の歳月をかけて木の音色を残しながら形状の固定に成功したそうです。

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このようにしてウッドコーンスピーカーEX-A1が誕生したそうです。
しかしこれで満足せず、スピーカーの口径をUPしたりアンプを改善したり木製吸音材を使ったりしてEX-A3を完成。(吸音材として木片を使う発想も、偶然見たテレビでカンナくずを見て得たとか。)
さらに、エンクロージャーの構造を変更したり、吸音素材を変更したりしてさらに低音や解像度を増したEX-AR3を完成させた。

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スピーカーだけでなくアンプの部分にもこだわりが有り、底面にアークベースをつけることで、不要な振動を押さえ込み音質を改善したそうです。電子回路に振動が関係あるのかなと思っていましたが、コンデンサ容量等に影響を与えるため振動が関係するそうです。
さてこういう開発者の強いこだわりを聞きつつ、合間にEX-AR3で色々な音楽をちょっとずつですが視聴することができました。初めの三味線の強い響きにも驚きましたし、自然音のリアルさにも驚きました。そしてこのコンパクトサイズのスピーカーから出るのかと思う低音や演奏者の息づかいまで感じられる解像感。
アコースティックな響きで伸びと深みのある心地よい音楽が体験できとても気に入りました。
高いんだろうなと思っていたら以外に安いですね。
開発者のこだわりと工夫、そしてウッドコーンスピーカーの実力が感じられる楽しいイベントでした。
Victorの皆様、AMNの皆様ありがとうございました。
Amazon: EX-AR3
楽天: EX-AR3

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