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今日はソニーの3D BRAVIAモノフェローズイベントに参加してきました。
3D BRAVIAプロモーション担当の齊藤氏からソニーの3Dへの取り組みと3D BRAVIAの技術的な特長、3D仕様/3Dメガネの商品企画担当の亀友氏から3Dメガネ開発の話を伺いました。もちろん3D BRAVIAの先行体験もありました。
メーカーは違いますが昨日3D VIERAが発売され、一昨日にはPS3システムソフトウェアアップデートで3D対応(対応ゲームはまだありませんが)、6月にはこの3D BRAVIAも発売、スカパー!HDとスカパー!光でFIFAワールドカップを3D放送、といよいよ3Dテレビ元年ですが、3Dテレビを実際に体験してみたくて参加しました。

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ソニーが3Dテレビを開発する上でのこだわりは、家庭用でも画質/使い勝手に妥協せず、またリビングのいつもの環境で普通にみることができることだそうです。
そのために3DでもFULL HDを維持し、2D画質にも影響を与えない。
誰でもかけられる3Dメガネを開発し、メガネをかけても暗くならない。
というのを実現したのが、この3D BRAVIAだそうです。

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3DでのフルHDを実現かつ2D画質にも影響をあたえないために、1ライン毎に左右の像を表示し偏光フィルターで左右の目に分けて表示する方式(ライン・バイ・ライン)ではなく、短時間で左右の像を切り替えてシャッターで左右の目に分けて表示する方式(フレームシーケンシャル)にしたそう。
その為、フレームシーケンシャル方式は3Dメガネがちょっと重くなってしまうのが欠点ですが、ライン・バイ・ライン方式の高価なフィルターを使う必要もなく、3D信号トランスミッターを後付けして3Dに対応するということもできるらしい。


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フレームシーケンシャル方式で問題となるのが、液晶画面の切替速度。一度に画面が切り替わるわけではないので、どうしても左右の像の分離が問題になります。
画質向上のために開発した4倍速(120Hz)駆動を利用して、LEDバックライトの制御を組み合わせて、うまく二重像(クロストーク)のない映像を実現しています。
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誰でもかけられる3Dメガネの開発のエピソードも。
3Dメガネの最終プロトタイプ段階で、頭の幅の狭い欧米の女性などをカバーしきれないことが判明。ヒンジの角度調整やアダプタ追加できるようにしてイギリスまで調査に出かけたが結局現状のものでは対応できず。
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さらに世界で頭のサイズを測定したりして、小さなサイズの3Dメガネも開発したそう。
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欧米の女性でも子供でも上手く使えるようになったとか。
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また3Dメガネにはひさしが付いていて外光をシャットアウトして見やすくなっています。映画館用のReal Dのメガネとかけ比べるとその効果は大きく、メガネの外縁部が気にならない感じでした。
あと、プラズマの3Dテレビとの原理比較がありました。(つまり某メーカーの3Dテレビとの比較ですね)
プラズマと違い液晶は縦の偏光のみなので、シャッター方式の3Dメガネで偏光板を使う必要がないため輝度劣化を防ぐことができる。さらにこの偏光板がないことで、LEDライトや蛍光灯のひかりの明滅(フリッカー)をかなり軽減することができる(横波は遮断されないため)そうです。(東日本では電源周波数が50Hzなのでフリッカーが出やすい)
また、プラズマは点灯する回数で階調を表現にしているので、フレームシーケンシャルで高速駆動すると階調表現が限られてくるが、液晶は電圧で諧調表現するので高速駆動しても階調表現は変わらないそうです。
以上は理論ですが、3Dは錯覚を利用して立体感を得ているため、実際に見てみないとどう感じるか分からない。まだ評価基準も存在しないため、実際に見ること、映像の製作者に見てもらうことが重要になるそうです。
ソニーは映画の製作(SPE)やゲームの製作(SCE)などがグループに持っているのが強みで、シーンセレクト(映画/ゲーム/スポーツに最適なモード)に生かしたりしているそうです。
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ということで、3D BRAVIAの視聴体験した感想を書きたいと思います。
映像はとても精細で綺麗でした。ソニーが用意したコンテンツだけあって、自然やサッカー、フィギュアスケート、ゲームなど普通の映像でも綺麗な映像を3Dで奥行き感が感じられました。フィギュアスケートは普通の放送を2Dー3D変換で表示しているそうです。上の写真はレンズの前に3Dメガネを置いて撮影していますが、3Dメガネをかけると直接見るより明るさは低下しているものの、元の映像が明るいので3Dメガネをかけても十分な明るさが表現されていました。
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目に見えない速度でシャッターが切り替わっています。
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リモコンには3Dボタンが付いています。
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2Dー3D変換効果はフィギュアのように真ん中に被写体が大きく写り、背景が遠くにある場合はよく感じられましたが、そういった場面でない場合はあまり感じられなかったりしました。
画質には満足したのですが、3D映画のように目の前が大きく3Dに見える訳ではないのでちょっと臨場感には欠けるような感じがしました。
3Dメガネはアバターを見た時のXpanD方式の3Dメガネよりは重く感じなく着け心地も良かったですが、ちょっと重くて締め付けがあるので長時間つけるのはつらそうですね。リビングで3Dメガネをかけている姿もちょっと・・・。早く裸眼で画質の良いテレビが出て欲しいです。
プラズマの3Dテレビとの比較はソニーの一方的な意見でしたので、帰りに家電量販店で体験してきました。
確かに蛍光灯のフリッカーが少し気になったのですが、画質はよくわかりませんでした。というのもデモで流れている映像が石川遼のゴルフの映像なのですが、明るい白っぽい映像だからか階調表現がどれだけできるのかいまいち分かりませんでした。
あと、このデモ用映像では打ったゴルフボールやバンカーの砂が飛んできたりするので、驚かせるには向いているかもしれませんが、いわゆる飛び出る画像で目が疲れます。
ソニーのデモ映像は、被写体がテレビ画面ぐらいの距離に見え、背景はそれより奥に見える、いわゆる奥行きのある映像で、3Dメガネを外しても被写体はちゃんと映っている感じがします。こういった映像の方が目が疲れないし、ちゃんと立体に認識しやすいです。技術よりもこのあたりに違いを感じ、やはりコンテンツが重要だと思いました。ソニーは心地よい3Dコンテンツの制作ノウハウを展開していたりするそうです。映画アバターはソニーの3Dカメラで撮影されているらしいですね。
あと、今回のプレゼンで少し気になったのが、ソニーがグループの総合力をアピールしすぎで何でもグループ内でやろうとしているように見えること。今日にセミナーを開いてプラズマ方式に優る点をプレゼンするなども競合への対抗を感じますし・・。3Dテレビというのは全体で盛り上げていかないと普及もなかなか難しいと思うので、早く購入した人が後悔することだけはないようにして欲しいです。
ともかく今年の3Dテレビの展開は注目ですね。

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