5Gで変わる興行と働き方 #Engadget meetup Special featuring. #TechCrunch レポート

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

5/31に開催されたEngadget日本版TechCrunch Japanの共同開催のイベント「5G時代のガジェットとIoT」をちょっとマジメに考えてみる に参加してきました。

最初は、NTTドコモ × Engadgetの5Gに関するセッション

株式会社NTTドコモ 5Gイノベーション推進室 5G方式研究グループリーダー担当部長 奥村幸彦氏

ジャーナリスト 石川温氏

5Gの特長は、高速大容量(20Gbps)、超低遅延(1ms)、多数接続(100万デバイス/km2)。

5G対応のデバイスも続々出てきています。

日本での5Gは今年の9/20、ラグビーワールドカップに合わせてプレサービスが開始。2020年春に商用サービス開始の予定。
プレサービスは全国で開始されるが地域ごとに地域に根ざした特長的なサービスとしてエリア限定となる。商用サービスではないので料金はいただかない。

日本の5G商用サービスは世界より遅れているという話もあるが、1Gや3Gでは日本が世界初となっていたが、世界初が本当に良いのか?概ね10年続く技術なので、1年半ほどの遅れよりもしっかりと時間をかけて品質を作り上げるのが重要だと考えている。

5Gというのは4Gの延長であるEnhanced LTE(eLTE)と新しい飛躍的な性能向上を目指すNew Radio(NR)の組み合わせであり、4G NWも重要。その組み合わせをうまく行うことで品質が実現できる。

イメージ的には低い周波数帯のeLTEで接続性やモビリティを確保し、新しい広帯域や超広帯域の高い周波数帯で高速データレートを実現する感じでどちらかを使うのでなく両方を使うノンスタンドアローン方式。

初期の方式設計段階で、7万人のスタジアムで1割の人が4K映像を試聴できるようなスペックで設計された規格であり、すでに実現している。スタジアムに複数のカメラを設置し、そのカメラ群から生成した自由視点映像を現地でタブレットで見たり、スタジアム外でVR体験できたりできるというスタジアムソリューションも開発中。

その他にも、建設機械を遠隔操縦したり、医師をサポートする遠隔医療などのビジネスユースが期待されている。

遠隔手術ロボットは安全面からNGだが、遠隔地の有識者が診療を支援するようなことは実証実験済み。

オープンパートナープログラムで多くの企業・団体とトライアルを実施。小さな企業でも参加可能。

5Gサービスを創るというのだけでなく、5G時代に必要となるAI,AR/VR,ハードウェア技術などの要素技術を磨いて提供するというのもチャンス。

5Gは人やモノとつながる距離を感じさせないまだ見ぬサービスを実現できると期待している。

続いて、バルス株式会社 × TechCrunchによる「5G時代のxR事情」

バルス株式会社 共同創業者 取締役 木戸文祥氏

TechCrunch Japan 副編集長 吉田博英氏

バルス株式会社はバーチャルキャラクターのライブ・イベント、プロデュース、キャラクター制御システムなどの事業を行っている。

ライブ・イベント事業ではSPWNというライブを楽しむためのPFを構築。

映画館、商業施設、路上、ライブハウスなどあらゆる場所をイベントスペースに転換する。

バーチャルキャラクターなのでスタジオから複数の会場に同時に配信するといったことも可能。

モーションキャプチャーが可能なスタジオを持っており、体の53ヶ所をキャプチャして、Unityの3Dキャラクターを動かして配信する。会場にはカメラが設置され、その様子が演者にも伝わる。

リアルなアイドルとの対談といった企画も行った。
バーチャルアーティストは応援しないと消えてしまうため、ファンの熱量が高い。

そのバーチャルアーティストに対するファンの応援が届くプラットフォームを構築。タッチポイントを集約し、投げ銭ができるなどがポイント。

オリジナルのバーチャルキャラクターの企画・制作も実施。

バーチャルアーティストのタレントプロデュース事業も。

事業継続の問題から消えそうになったバーチャルタレントの移籍なども行った。

VTuber業界のカオスマップ

キャラクター制御は今まではVR装置などが必要だったが、それをカメラ1台の映像だけで制御できるシステム「どこでもVTuber」を開発中。

カメラ映像から人の動きを認識し、その動きに合わせてバーチャルキャラクターが動きます。

顔の動きや手の動き、距離などが反映され自然な動きになっています。
細かい動きはキャプチャに頼るのでなく、人間の動きというのを学習させたAIで補完している。

カメラはIntel RealSense Depth Camera。これだけでバーチャルキャラクターを操作できるなら利用は簡単そうですね。
すでに手軽に広報キャラクターを運営したい企業などからの引き合いも多いそう。

VTuberだけでなく、無遠隔接客、講師などにバーチャルキャラクターを使うなどの用途が考えられます。
場所や実際の年齢を問わず働けるので、これからのシニアの仕事の可能性が広がる。

5Gは距離を超えてコミュニケーションが取れるため、ライブ・コンサート、スポーツ、演劇といった興行との相性が抜群に良い。
低遅延でコールアンドレスポンスや一緒に歌ったりすることなども可能。

大容量のため今まで光ファイバーの専用線でつないでいたネットワークを5Gで代替できるというのはコスト的にも時間的にも大きく変わる。

興行の可能性も大きく変わる。

5Gとバーチャルキャラクターで、誰もが自由に別の自分を作ったり、環境に依存せず働ける時代になる。多様性が活かせる時代になる。

こんな風な話が対話形式で展開し、5GやxRについての可能性についてとても勉強になったイベントでした。

このあとは懇親会。元職場が同じのとても久しぶりな人に偶然出会ったり、より詳しい話をドコモの奥村氏から聞いたりなど懇親会もとても楽しかったです。
ドコモ、バルス、Engadget, TechCrunchの皆様、参加の皆様、ありがとうございました。

saya: