おとなのあそび大学 あそびこそ最高の学び すみだのものづくりを守る キッズデザイン賞最優秀賞受賞 あそび大学 #放課後カルテ

12/15に「おとなのあそび大学」というのが開催されるという案内をすみだファンCLUBからもらい、面白そうなので参加してきました。
あそび大学」は特定非営利活動法人Chance For All、一般社団法人SSK、Seki Design Lab.、千葉大学環境デザイン研究室の4団体が共同で運営しているこどものあそび場で、おとなはこどもたちがやることに口出しできない。ものづくりのまち墨田区の町工場から提供された素材を使って、地域愛や創造力を育む遊びができます。第18回キッズデザイン賞 最優秀賞を受賞している活動です。
そんなあそび大学をおとなが体験できるのが「おとなのあそび大学」でした。

あそび大学は、千葉大学墨田サテライトキャンパスで毎月1回のペースで開催されています。

出張あそび大学などの活動も行われているそうです。

3Dプリンターなどが並ぶ千葉大学墨田サテライトキャンパスの工房に、

町工場などから提供された素材が沢山並んでいます。

それらの素材を使ってこどもたちが作った作品たち。

特定非営利活動法人Chance For All 中山勇魚さんから、あそび大学の意義を教えて頂きました。

全然知りませんでしたが、今、小学校でのいじめが激増しているそうですね。

小学校の校内暴力も激増しているそうです。

小中高生の自殺者数も増えています。

日本のこどもたちは他国に比べて、自己肯定感が低い

小学校で自己肯定力は下がっています。

社会や放課後が昔と変化して、外遊び・友達との遊びをできない小学生が増え、親に言われたことを素直にやるこどもたちが増えている。
自分で決めないため、良くないことがあっても人のせいにしたりする。

あそびのなかで自然と育まれていた、自分で決めて挑戦や失敗をする経験こそが、最高の学びとなる。

Seki Design Lab. 關 真由美さんからは、すみだの歴史と町工場について詳しく教えて頂きました。

町工場からもらった素材を持って帰り、

リビングに置くと、

こどもたちが夢中になってあそんだというのがあそび大学の原点。

墨田区は工場数が23区で2位。

墨田区は印刷・金属・プラスチック・繊維・皮革など多彩な素材を扱う工場が集結している。
それは歴史が関係している。

江戸時代、すみだは下級武士や町人が住む下町。

下級武士は傘や提灯、ろうそく、釣具、刷毛、足袋、鋳物などで内職していた。

明治維新で武士としての職を失った下級武士は内職だったものづくりを本業に。

本所地区にはそんなものづくりの担い手がいて、向島は農地だったので土地もある。川もあるのでモノを運びやすいというものづくりのまちに適したのが墨田区でした。

革靴を履く人が増えると、

浅草の下駄職人たちは革靴を作るように命じられる。

革靴には革の加工が必要

革を船で運べる川の近くで浅草に近いまち

墨田区が革のなめし場に

革をなめす工程で植物油が大量に出る

その植物油を使って石鹸産業が生まれ、墨田区から多くの洗剤メーカーが生まれた。

Kaneboも鐘淵紡績からきていて鐘ケ淵が由来。

墨田区は国産マッチ発祥の地

SEIKOも墨田区発祥

戦争が始まり、墨田区は軍服、靴下といった軍装品の生産拠点に。

本所は莫大小(メリヤス)産業の発祥の地に

しかし、関東大震災で本所区の95%が燃え、メリヤス業者1583人のうち1172人が被害に。約9860台の機械が消失。

その後復興するものの東京大空襲で本所区の96%、向島区の57%が消失。

しかし、高度経済成長でまた発展

革の型抜き加工技術から

業務用フェルト、ウレタン、紙の型抜き技術へ

軍服を作る技術からTシャツなどを製造する技術へ

そうやって多種多様な製造業のまち 墨田区 になった。

しかしバブル崩壊、生産拠点の海外移転などで町工場は減少。9703社だった工場数は2154社となり1/5まで減少。

工場跡地はタワーマンションになり、すみだと縁のない新住民が住み、騒音や振動がつきものの町工場との軋轢も問題となっている。
すみだの町工場は部品だけを作っていることが多いため、何を作っているのかわかりにくい。

あそび大学では、そんな町工場から提供された素材であそぶことで、すみだの町工場やものづくりに興味をもってもらい、町工場とまちが共生するきっかけになればという思いも込められています。

こどもたちの創造性も高め、すみだのものづくりも守っていく、そんな活動でした。

あそび大学の意義を伺ったあとは、童心に帰って用意された素材で遊びました。

本当にいろいろな素材が置かれています。

私がこどものころは工作が好きで色々自分たちで創ってあそんでいたなと思い出しました。

今でもものづくりが好きなのは、そのころの楽しかった経験からかもしれません。

うちのこどもたちはもう大きくなってしまいましたが、小さかったらこういうところに行かせたかったですね。

目についた素材を適当に組み合わせてものづくりのキャラ的なものを創ってみました。
おとな的には完成イメージまで考えがちですが、そんなこと考えず適当に組み立てていくのもまた楽しいです。

参加者の皆さんが創った作品たち。

あそび大学では、成果を出すことがこどもたちの義務にならないように、こどもたち(親)からお金をとらないようにしているそう。その代わりボランティアやクラウドファンディング、寄付で運営しているそうなので、活動に共感される方はぜひ下記をご覧ください。

ふるさと納税を活用したクラウドファンディング

夏にはなつのあそび大学という活動を行っているそうです。これはこどもたちで自ら考えて国をつくって運営するという活動で、さらに学びが多そうですね。

saya: