少し前ですが7/22に行われた日曜アーティスト 前田とまきさん企画の「日比谷公園パブリックアート散策」に参加してきました。
日比谷公園は紅葉やネモフィラの写真を撮影したり、イベントで訪れたりしていますが、パブリックアートってあったっけ?と思いつつ丸の内仲通りに並ぶアートの数々を見ながら日比谷公園へ。
まずは日比谷図書文化館のセミナールームで座学。散歩で学ぶ心得から。
目で見て、心で感じ、頭で理解する。話を聞いたり、資料を読んだりしてインプットを増やしつつ、誰かに話したり、書いたりすることでアウトプットも増やす。そういった対話を楽しみつつ、学びを増やそう。
スペシャルゲスト浦島茂世さんは、「パブリックアート入門 タダで観られるけど、タダならぬアートの世界」という本の著者。パブリック・アートの楽しみ方を教えて頂きました。
気になるパブリック・アートを見つけたら、まずは銘板で作者・作品名・制作年などを確認し、全体や詳細をじっくり作品を鑑賞。そこから作者の思いや設置者の思いなどを想像する。そうすることで素通りしていたアートも気になる存在に。
日比谷公園は1903年に開園した日本初となる洋風公園。今年は120周年です。
1951年に日比谷公園で「第一回野外創作彫刻展」を開催。小野田セメントがバックアップして白色セメントを使った作品を作家が創作し、小野田セメントが買い上げ全国各地に寄贈。これが野外彫刻がポピュラーになったきっかけになったとか。
そんなパブリック・アートの原点も楽しめるし、パブリック・アートとは言えないかもだけど、意外なオブジェもたくさんあるのが日比谷公園です。ということで実際に参加のみんなで見て回ります。
とまきさんからは最初の写真のように自作のマップやしおりを頂きましたが、日比谷図書文化館にもこのようなマップが用意されていました。
撮影した写真を中心に紹介します。詳しい解説を知りたい方はとまきさんの記事を見て下さい。
コンテンツ目次
豊穣(中川為延)
こちらは1958年の「野外彫刻展」に出品された白セメントを使った彫刻作品。
ぶどうの収穫の様子を表現しています。
雲形池 鶴の噴水
日本で3番目に古い装飾用噴水として制作されたもの。
こちらは良く紅葉と絡めて撮影していました。
京橋の欄干柱
1922年の京橋の架け替えの際にここに移された欄干柱。
馬の水飲み
つつじ山
アーバンアルピニストのとまきさんは日比谷公園の山も逃しません。
首かけイチョウ
埴輪
姉妹公園の宮崎県立平和台公園より贈られたはにわ像。レプリカですが、色が違うのは2014年に雪の重みで折れた枝が直撃して壊れてしまったため新しいものになったためらしい。
三笠山
公園造成時に池などを造成するときに出た土を積んでできた山。三つの笠を伏せたような形をしていたことから三笠山と呼ばれたが、今はテニスコートの造成などで形が変わっている。
アーク灯
水飲み
この水飲みとアーク灯は開園当時のもので、同じようなデザインになっています。
キリンの仔(淀井敏夫)
文化勲章受章者で彫刻家の淀井敏夫さんの野外彫刻展の出品作品。
ルーパ・ロマーナ像
ローマ建国の伝説の「狼の乳を吸うロムルスとレムス」をモチーフとした像。
日独伊三国防共協定が結ばれた1937年にイタリアから東京市に寄贈されたものだそう。
自由の女神
GHQが日比谷公園の一部を接収していた1950年に文化の日制定を記念して設置された乗松巌氏制作の像。
竪琴を持っています。
ペリカン噴水
このペリカンの彫刻は1953年に寄贈されたものだそうだが、像の背面には1971と書かれている。
詳しい経緯は見つからない(デモで壊されたのが修復された?)という謎が多いペリカン像だそう。
心字池
ホセ・リサール博士銅像
かなり立派な像、フィリピンの独立運動に命を捧げた国民的英雄とのことですが、詳しく調べると色々面白いエピソードがある模様。
南極の石
南極観測船「ふじ」が1966年に持ち帰った南極の石。案内板がなければ全く分からない感じで置かれています。
古代スカンジナビア碑銘譯
北極航路が開設された10周年を記念してスカンジナビア航空から1967年に贈られた石碑。
古代北欧バイキング文字で何やら書かれていますが、解読はこちら。
石貨
1925年に南太平洋のヤップ島(現ミクロネシア連邦)の支庁長より寄贈された石のお金。
お金と言っても価値が決まったり持ち歩いて交換するものではなくて、所有権をやり取りするアート作品みたいな感じだそう。
大噴水
ソーラー時計
ゆっくりと面白い解説を聞きながら、皆でパブリック・アートやそうでないオブジェなども含めて見て回る散歩は楽しいですね。
セミナールームに戻り、浦島茂世さんからさらに詳しくパブリックアートの歴史なども伺いました。興味深い話でしたので「パブリックアート入門」も購入しました。じっくり読んで、興味をもってパブリックアートを楽しみたいと思います。
浦島さん、とまきさん、参加の皆様、ありがとうございました!