東京大学の川原圭博准教授らは、昨年「Instant inkjet circuits: lab-based inkjet printing to support rapid prototyping of UbiComp devices」という論文でACM International Joint Conference on Pervasive and Ubiquitous Computing (UbiComp 2013)においてBest Paper Awardを受賞したそうです。
Instant Inkjet Circutsは特別な装置は使わず、市販の銀ナノインクを市販の家庭用インクジェットプリンター(写真は7000円くらいのBrother DCP-J140W)に装着して印刷するというもので、柔軟性のある電子回路を低コストかつ短時間で作成できるという技術を開発したそうです。
回路の細さは250ミクロンくらいが限界だそうですが、逆に大きくて曲げられるタッチセンサーやアンテナなどの作成や電子工作、プロトタイピングなどに便利に使えそうです。
ハンダ付けなども必要なく、市販の導電性の両面テープで部品を取り付けたり、銀ナノインクを入れたペンでさらに書き加えたりすることができるそう。ラミネート加工なんかもできるそうです。
SenSproutはこのインクジェット印刷技術とEnergy Harvestingによる無線給電技術を組み合わせた土壌モニタリングセンサネットワークのコンセプトアプリケーション。
静電容量の変化を検知できるセンサで土の中の水分量を測ることができ、葉濡れセンサで降雨も検知することが可能だとか。低コストで製作でき、電池も不要で土壌汚染の心配も無しとか。
これは色々楽しめそうな技術ですね。
川原准教授の教え子の清水信哉氏らがベンチャー企業「AgIC」を起業して、Instant Inkjet Circutsの事業化、開発した電子工作キットの販売を手がけるそうです。
(追記)Kickstarterで予約が始まりました。