10/9はクロネコヤマト アンバサダープログラムのイベントで、羽田空港のすぐそばにある「羽田クロノゲート」へ。羽田クロノゲートで行われている荷物の仕分けの仕組みの見学したり、今年から始まった新サービス「宅急便コンパクト」のサービス開発の裏話などを伺ったりしてきました。
うちはよく通販やモニター品の受け取り・返送などで「宅急便」を利用しています。マンションの宅配ロッカーで発送できたり、荷物の到着前に連絡がきて受け取り日時を変更できたりするのが便利なので。もちろん荷物の取り扱いが丁寧というのもあります。
宅急便の配達状況の追跡をすると最近よく目にするのが「羽田クロノゲート」。なんだか格好良い名称で気になっていたのですが、今回その羽田クロノゲートを見学させてもらえました。
ちなみにクロノゲートはギリシャ神話における時間の神「クロノス」と国内・アジアの「ゲートウェイ」をかけ合わせて、「新しい時間と空間を提供する物流の玄関であるとともに、物流の新時代の幕開け」を表現しているそう。
羽田クロノゲートは2013年9月に竣工した日本最大級のヤマトグループの総合物流拠点の一つ。厚木ゲートウェイ、沖縄国際物流ハブと合わせて、「バリュー・ネットワーキング構想」を実現する重要な拠点。バリュー・ネットワーキング構想とは、簡単に言えば従来のモノを届ける機能にビジネス上の様々な付加価値機能(キッティング、クロスマージ、メンテナンス、通関など)を融合させ、物流を改革する構想。詳しくはこちら(PDF)。
残念ながらその内部は撮影不可(荷札など個人情報が含まれるため)でしたが、とても巨大な施設でした。
内部では、2階の空中回廊から実際に荷物が仕分けされる仕組みが見れたり、映像で他の階で行われいる付加価値サービスが紹介されたりします。
またほぼ自動化されている仕分けの状況をシステムとカメラで監視したり、運送車に指示したりする集中管理室なども外から見ることができました。
特に仕分けの仕組みは、こういう機械もの、からくり好きにはたまらないですね。
ベルトコンベアで荷物が運ばれていくのですが、クロスベルトソーターというのがなかなか良く出来ています。セルに一つ一つ荷物が載ってシューターで行き先に仕分けられるのですが、合流するときに荷物のスピードが調整され見事に空いているセルに載せられます。その載ってくるときやシューターの手前でセルが横向けに動いてやさしく荷物を中心に載せたり送ったりする仕組みなどとても素早く制御されています。
トラックでは荷物はカゴ車に入れられたまま運ばれその分容量は減るのですが、トラックでの荷物の載せ降ろしを発生させないことで荷物に対する傷つけないことを重視しているのだとか。クロノゲートに到着した荷物は自動的にカゴ車のままベルトコンベアまで運ばれ、人やロボットアームでベルトコンベアに載せられ、どの面に貼られた宛先も読めるスキャナーで宛先を読み取ってクロスベルトソーターに載せられます。
3F以上は付加価値機能エリアになっています。
オンデマンドプリンターでパンフレットやプリントなど印刷して、封筒にいれたり一緒に送りたいものをパッキングするサービスを提供しています。
メーカーと組んで、壊れた家電を自宅から引き取ってここで修理して返却していたりもしているそう。
通関も行えます。
部品などを必要な数ここで組み合わせてまとめて届けるFRAPS(Free Rack Auto Pick System)という仕組みもあったり。
通信会社がネットワークの土管だけでなく、従来企業が持っていたITシステムをクラウドでさまざまなサービス提供するようになっているのと同じように、配送会社も荷物の配送だけでなく従来企業が持っていたサプライチェーンの一部をサービス提供して、ビジネスのコスト削減、スピードアップ、新事業に貢献しているみたいですね。
香港・台湾・シンガポールに「国際クール宅急便」などもスタートし、日本の食材を新鮮なまま現地に届けることも可能になっているそう。
この見学コースはここで予約すると一般でも無料で見ることができます。ここは実際に見た方が面白いと思いますので、興味ある方はぜひ見学してみてください。
宅急便は1976年に開始、1981年荷物の出し入れがしやすい専用車の試作車が造られ、ウォークスルー車と名付けられました。東京を走っていた最初のウォークスルー車が羽田クロノゲートに展示されています。
イベント後半は「宅急便コンパクト」の開発秘話の紹介。宅急便コンパクトは小さな荷物を「専用BOX・専用薄型BOX」を使って手軽にオトクに送れるサービス。写真は縦25cm×横20cm×厚さ5cmの専用BOX。
昔と違って、最近は宅急便がオークションや通販などに使われることが多くなり、小さな荷物を安く梱包も簡単に便利に送りたいというニーズが増えていたそうです。そんな中考えられたのが小さな定形箱の宅急便。
定形箱と言ってもどのようなサイズにすれば良いのかと言うことで、あらゆるもののサイズを計測して使いやすいサイズを決めたそう。
デザインもカラフルなものからシンプルなものまで色々検討した結果、とってもシンプルな今のものになっているとか。
重さの制限も設けないことにしたが、本当に大丈夫かというのも検討したそう。
例えば宅急便コンパクトのサイズにはプラチナ2.2億円分53.6kg、金2.3億円分48.3kgが入ったりもするそうですが、現実的な重さで重いものは鉄(くぎ)で3.75kg、米で2.4kgなので、大丈夫ということになったとか。
宅急便コンパクトはシンプルなデザインですが、ご当地バージョンがあるそうです。こちらは沖縄のもの。
これも沖縄のものですね。開封する部分には開けると猫やシーサーがお目見えする遊び心もあります。
宅急便コンパクトの箱は自分で組み立てる必要がありますが、組み立て方も書かれているのでそんなに難しくは無いかも。
広島・宮島バージョンもあります。
今はないですが今後デザインを選べたり注文で写真を印刷したりなんてサービスも考えられているようですね。
箱は何度も使うと壊れやすくなるので敢えて一度しか使えないデザインにしているそうですが、色々なデザインがあるのなら箱を小物入れなどに再利用したいという意見が出ていました。私も小さなダンボール箱を小物入れに使ったりしているので、再送はできなくても再利用はできるようなデザインになると良いと思いました。
もう一つ気に入ったオプションがこちら。板にビニールが巻き付いていますが、これを利用すると、
移動中に小物が動かないように固定できますし、開けた時の見た目も良いのでこれは便利ですね。
様々な箱に関して、社員の方と一緒に改善案などのディスカッションも行いました。
こちらはおみやげ。様々なノベルティグッズと宅急便コンパクトを頂きました。ありがとうございます。
クロネコヤマトの配送にかける扱いの丁寧さとスピードの両立、最新の仕分けの仕組みや新しい付加価値サービス、宅急便コンパクトの開発裏話など盛りだくさんの内容でとても楽しかったです。
ヤマトグループの皆様、AMN、参加されたクロネコヤマトアンバサダーの皆様、ありがとうございました。