
ダン・ブラウンといえば、『天使と悪魔』『ダ・ヴィンチ・コード』『インフェルノ』など、映画化もされたラングドン・シリーズでおなじみの作家です。
謎解きの面白さはもちろん、知的好奇心を刺激するテーマ設定や、舞台となる都市の空気感まで伝わってくる美しい描写が魅力で、私自身、原作小説も映画もどちらも楽しんできました。
そんなラングドン・シリーズの第6作『シークレット・オブ・シークレッツ』が、この11月に発売されました。
今回の舞台はチェコ・プラハ。チェコ親善アンバサダー向けにKADOKAWAさんからご提供いただき、さっそく読ませていただきました。

上下巻あわせるとかなりのボリュームですが、プラハの街並みや歴史が濃密に描かれており、実際に訪れたことのない場所まで巡礼したくなるほど臨場感があります。物語の序盤は、なかなか全体像が見えず不可解な展開が続きますが、上巻の終盤あたりから伏線が少しずつつながり始め、物語が一気に腑に落ちていきます。ぜひ、そこまでは諦めずに読み進めてほしいところです。気がつけば、次の展開が気になってページをめくる手が止まらなくなります。
人間の「意識」をめぐる新たな理論をテーマにしている点も非常に興味深く、読み応えのある長編サスペンスでした。
年末年始の読書にもぴったりの一冊ですので、気になった方はぜひ手に取ってみてください。



