jmaf

六本木の国立新美術館で6/13(水)〜6/24(日)に開催される「第21回文化庁メディア芸術祭受賞作品展」。そのプレス向け内覧会に参加させていただきましたので、各部門の受賞作品や受賞者を紹介したいと思います。

P6120047
部門はアート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門。応募総数4,192作品(世界98の国と地域から応募)から選ばれた全受賞作品と功労賞受賞者の紹介が展示されています。なかなか面白い表現や新しい表現、制作の背景など観ていてとてもワクワクする内容でした。

アート部門

大賞

P6120065
Interstices / Opus I – Opus II
Haythem ZAKARIA (チュニジア)

P6120052
Opus Iは静的な砂漠の風景

P6120067
Opus IIは動的な海の風景
チュニジアの風景をモノクロの映像で表現した大きな映像インスタレーション。それほど動きはないですが、引き込まれます。

優秀賞

P6120093
アバターズ
菅野 創/やんツー

P6120101
空間に配置された、様々なモノがインターネットにつながっており、ウェブブラウザからログインした人のアバターとして動かせるようになっています。

P6120099
モノを通して観た世界、モノを通して観られている世界などIoTの世界を面白く表現しています。

P6120098
カメラ・インターネットを通して観られるので、プライバシーが気になる人には仮面なども用意されていますよ。

P6120107
進化する恋人たちの社会における高速伝記
畒見 達夫/ダニエル・ビシグ (スイス)

P6120106
人の恋愛を中心とした人生を高速にシミュレーションする生態系シミュレーター。

P6120070
水準原点
折笠 良

原点という詩を刻印した粘土を波のようなクレイアニメーションで表現。

P6120074
Language Producing Factory
DAI Furen (中国)

P6120081
中国湖南省江永県の山村で女性だけに伝承された言語「女書」をテーマにした映像インスタレーション。
その文化がその文字を描く女性とともに観光商品として扱われる様子を風刺しています。

P6120068

新人賞

P6120090
I’m In The Computer Memory!
会田 寅次郎

コンピュータのメモリの中を可視化。タッチパネルで探索できます。

P6120112
Panderer (Seventeen Seconds)
Gary SETZER (米国)

美術館で鑑賞者が1作品に費やす平均時間が約17秒なのでその制約を守ったという説明の17秒の映像作品。

P6120007
The Dither is Naked
YANO (スイス)

ディザリングアルゴリズムを可視化した作品。

エンターテインメント部門

大賞

P6120295
人喰いの大鷲トリコ
『人喰いの大鷲トリコ』開発チーム(代表:上田 文人)

P6120314
トリコはAI技術によって、周囲の状況を認識し、自らの判断で行動するようになっており、その架空の生き物と心を通わせるゲーム。
実物大のトリコやVRでのトリコを体験できるようになっています。

優秀賞

P6120324
FORESTA LUMINA
『FORESTA LUMINA』 制作チーム (カナダ)

人が来なかったような森をイルミネーションやサウンド、プロジェクションマッピングでコンテンツを付与して、歩くエンターテインメント空間にしています。

P6120291
INDUSTRIAL JP
INDUSTRIAL JP

町工場の工作機械などの音をクラブミュージックに編集。

P6120257
PaintsChainer
米辻 泰山

P6120260
線画にニューラルネットワークによる画層生成技術で自動着色する様子を可視化。

P6120382
タブレットで作品を写すとAR的に着色する様子をアニメーション。違う絵にもなります。

P6120268
Pechat
『Pechat』開発チーム(代表:小野 直紀)

ぬいぐるみに取り付けるボタン型スピーカー。文字や声で入力したセリフをおしゃべりしたり、うたをうたったり、おはなしをしたり、自動でおしゃべりしたり、まねっこしたりと、ぬいぐるみに子育てに良さそうな機能を追加できるのは面白いですね。

新人賞

P6120004
盲目の魚-The Blind Fish-
石川 泰昭/ミカヅキ フタツ/Keishi Kondo

木製の魚のマリオネットと音楽で構成された映像。美しいです。

P6120273
Dust
Mária JÚDOVÁ / Andrej BOLESLAVSKÝ (スロバキア)

P6120270

VRで線画で描かれた世界に入り込み、ダンサーが踊る姿を鑑賞できる。自分や周りの人も線画のようになって面白いです。

P6120385
MetaLimbs
佐々木 智也/MHD Yamen SARAIJI (シリア)

2本のロボットアームを足で操ることで腕を増やせる作品だそう。

アニメーション部門

大賞

P6120192
この世界の片隅に
片渕 須直

P6120197
当時の生活の様子や風景を詳細に調査して作品が作られていることが分かる資料が展示されています。

P6120366

P6120015

P6120160
夜明け告げるルーのうた
湯浅 政明
(写真はプロデューサーの岡安 由夏さん)

P6120363
やわらかなタッチのねむようこ先生のキャラクター原案や原画も展示

P6120368

優秀賞

P6120220
ハルモニア feat. Makoto
大谷 たらふ

P6120372
抽象的な表現の手書きアニメーションが魅力的なミュージックビデオ

P6120245
COCOLORS
『COCOLORS』制作チーム(代表:横嶋 俊久)

P6120377
木版画的な表現とマスクをかぶった表情が見えないキャラクター。
表情が見えないので、生演奏と生アフレコで上映というイベントも。

P6120230
Negative Space
KUWAHATA Ru (日本) / Max PORTER (米国)

P6120375
作品で使われたキャラクターや家の模型などを展示。

P6120376

新人賞

P6120207
舟を編む
黒柳 トシマサ

P6120219
The First Thunder
Anastasia MELIKHOVA (ロシア)

P6120224
Yin
Nicolas FONG (フランス)

マンガ部門

大賞

P6120357
ねぇ、ママ
池辺 葵

マンガ部門の各作品は原画や資料が展示してあったりして面白いです。

優秀賞

P6120121
銃座のウルナ
伊図 透

P6120010

P6120139
ニュクスの角灯
高浜 寛

P6120135

P6120123
夜の眼は千でございます
上野 顕太郎

P6120128

P6120359
AIの遺電子
山田 胡瓜

新人賞

P6120145
甘木唯子のツノと愛
久野 遥子

P6120142
バクちゃん
増村 十七

P6120153
BEASTARS
板垣 巴留

P6120018

マンガライブラリーでは受賞作品、審査委員会推薦作品の全巻を自由に読むことができます。

功労賞

P6120347
田宮 俊作
タミヤ代表取締役会長・社長

P6120344
プラモデルやミニ四駆などでものづくりを牽引し、世界に広めた。

P6120352
竹内 オサム
マンガ研究者/同志社大学教授/マンガ家

P6120350
マンガと児童文化の評論研究誌ビランジを刊行。

P6120036

入場無料なので、芸術の梅雨はぜひ国立新美術館に行って、選りすぐりの新しい表現、メディア芸術を堪能して下さい。
音声ガイドアプリも無料配信中です。

P6120019
受賞作品はメイン会場の国立新美術館に展示してありますが、サテライト会場でも連携したイベントを実施しています。
アニメーション部門やエンターテインメント部門の作品は国立新美術館3階講堂やTOHOシネマズ 六本木ヒルズなどでの上映もあるみたいです。
上映スケジュールを確認して下さい。
また、インターナショナル・デザイン・リエゾンセンターやスーパー・デラックスでのトーク、シンポジウム、ライブパフォーマンスなども行われます。
表参道ヒルズでは、「ニュクスの角灯」の原画と書き下ろし作品を展示。
ルミネ新宿では、INDUSTRIAL JPとBEASTARSを展示。
関連イベントはこちらから検索できますよ。