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ちょうど週末に東京ゲームショウ2023が開催されていましたが、チェコセンター東京では、チェコゲームショウin東京「チェコゲームの世界Ⅱ Innovative Indies」が、9/25〜10/31の期間、開催されています。
チェコ親善アンバサダーとして、9/22に行われたオープニングイベントに参加させていただきました。
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本展は、2021年にチェコセンターで開催された「チェコゲームの世界」の続編。チェコセンター東京の渾身の企画です。
チェコはその伝統と手作り文化が相まって、ユニークなゲームを多く生み出しています。有名なチェコゲームとして「キングダムカム・デリバランス」がありますが、今回の展示ではインディーゲームに注目しています。
コンテンツ目次
Amanita Design
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Amanita Designは、2003年設立のチェコのインディーズ開発スタジオ。チェコ・アニメーションの伝統を受け継ぎつつ、手仕事ならではの独特な魅力を活かした新たな世界と視聴覚体験を作りだすことに注力しています。
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パズルゲーム Samorost(2003)、Machinarium(2009)、アドベンチャーゲーム Botanicula(2012)、コメディアドベンチャーゲーム CHUCHEL(2018)などが代表作。
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その独特のデザインなどはパネルやぬいぐるみ、資料で展示されている他、展示されているPCで遊ぶことができます。
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現在は圧政に立ち向かうアドベンチャーゲーム「Phonopolis」を開発中。
Attu Games
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Attu Gamesは、夫婦で営まれているチェコのゲームチーム。
Toby:The Secret Mine(2015)、Feudal Alloy(2019)と多くのミニゲームを制作している。描画、アニメーション、作話、プログラミング、音楽、ゲームリリースまですべてを独力で行っています。
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本展では、スラブ民話からインスピレーションを受け、刺繍をゲームビジュアルに取り入れた最新作「Scarlet
Deer Inn」が紹介されています。実際の刺繍も展示されています。
Charles Games
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Charles Gamesは、社会派ゲームを専門とするプラハを拠点とするゲームスタジオ。現代史をテーマに制作され世界でも高い評価を受けたAttentat 1942、Svoboda 1945: Liberationや、気候変動をテーマにしたBeecarbonize、インターネットに潜む危険を扱ったDigiStoriesシリーズなど。現在はフランツ・カフカの作品をモチーフにしたアドベンチャーゲームと、子ども時代の戦争体験をテーマにしたストーリーゲームを開発中。制作チームには学者も含まれており、非営利団体「People in Need」やゲーテ・インスティトゥート、チェコ科学アカデミーなどの国際的な組織がプロジェクトに協力しています。
本展では、気候変動をテーマにした戦略カードゲーム「Beecarbonize」の体験プレイができます。
Ashborne Games
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Ashborne Gamesはブルノで設立されたゲーム開発スタジオ。Arma、Mafia、Shadowgun、UFOシリーズ、Vigor、Comanche、Last Train Homeなどのさまざまなチェコのヒットゲームの開発者たちで構成されています。
第一次世界大戦後のロシア内戦の中、ロシアから祖国への帰還を目指したチェコスロバキア軍団の実話からインスピレーションを得た開発中のリアルタイムストラテジーゲーム「Last Train Home」を出展しています。
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Last Train Homeは、東京ゲームショウのチェコ共和国パビリオンでも紹介されていました。
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ロシアからシベリア鉄道で日本・アメリカ経由で帰還した話だそうで、日本とも関係があるそうですね。
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東京ゲームショウはすでに終了していますが、チェコ共和国パビリオンには、VRのDivr Labs、ゲームプラットフォームのCyber Sail、アクションパーティゲームBulanciのSleep Teamなどが参加されていました。
クィアゲームコーナー
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No Fun Collectiveがチェコゲームの世界Ⅱのために選出したクィアゲームを紹介するコーナーもあります。LGBTをテーマにした作品や「正しい」ゲーム体験とは何かという問いにユニークなアプローチで挑んでいる作品もあります。
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Dykes on Hikes(製作:Růžoví flammenáci)、No Body is Born Clean(製作:Nela Pietrová、Ondřej Trhoň)、Ultraviolet Lavender(製作:Tea Kryštůfková)、Queer Animals Dating Sim(製作:Zuzana Kotrbová)といった作品が紹介されています。
DEEPTIME
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チェコのDEEPTIME社は、3Dプリンター技術の専門家やデザイナーが集まって2014年にプラハ近郊に立ち上げたベンチャー企業。DEEPTIMEの「IONIC(イオニック)サウンドシステム」は、産業用3Dプリンタで砂を一体成形して製造されたスピーカーシステムです。そのユニークな外観とサウンドを体験することができます。
チェコのインディーゲーム開発の裏側
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オープニングイベントでは、最初に紹介したAmanita DesignのOto Dostál氏より、そのゲーム製作の裏側、Amanita Designならではのごだわりを教えていただきましたので、簡単に紹介します。(かなり意訳しています)
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ゲームのインスピレーションは、楽しい思い出や楽しい発見から。チェコの伝統、生活、絵本、アニメなどから得ています。
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建物や自然なども。
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色々なものをスケッチしてアイデアを出します。
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アイデアはものを作って、手触り感を大切に。
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どんな体験にするか考えるのが、ゲームの始まり。
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動きを考えて、
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プロトタイプを作って、アイデアをテストします。
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実際にゲームを作る前に十分な時間をかけます。
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ゲームに出てくる風景は、模型を作ってみて、
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ゲーム空間の中で詳細を加えていきます。
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模型でゲームの感じを確認したり、
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フィルム風の映像演出を確かめたり
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アイデアがうまくゲームで再現できるかを確認したり。
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ゲームデザインが技術的にゲーム空間では実現できないことも。
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音も重要な要素。
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様々な音を試して取り入れたり。
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Amanita Designのこだわりは、コンピュータで完結せずに手を汚して(手仕事で)作品をつくり出すことです。
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こういった手作り感、手触り感が、ゲームの世界観やキャラクター、体験の魅力に繋がっていますね。最近のリアルさを追求した大作ゲームとは対極にあるような、クラフトマンシップに溢れ何だか懐かしさを感じるチェコのインディーゲーム。ぜひチェコセンター東京でその魅力を体験してみて下さい。東京ゲームショウとは違って(たぶん)じっくり試遊できますよ。
チェコゲームの世界Ⅱ Innovative Indies
- 会期:2023年9月25日(月)~10月31日(火)※土日・祝日は休館
- 開館時間:10:00~19:00
- 会場:チェコセンター東京 150-0012 東京都渋谷区広尾2-16-14(チェコ共和国大使館内)
- 入場無料
オープニングイベントでスピーチ頂いた皆様、参加の皆様ありがとうございました。チェコのゲーム業界と日本のゲーム業界とのコラボレーション、期待しています。
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