本日発表、6/27発売のぺんてるの新ボールペン「FLOATUNE」体験発表会に参加してきました。
製品戦略本部 本部長 高垣 克己
AIの発展やデジタル化の中で、アナログの良さや人間らしさにこだわるぺんてるが、五感に訴える新体験を価値として新たに世に送り出す次世代ボールペン「FLOATUNE」。
ぺんてるといえばスラスラ書ける書きごこちのよいエナージェルを私も愛用していますが、ボールペン市場ではまだまだ伸びしろがあります。機能性ではなく感覚に働きかける次世代ボールペンを目指して開発されたそうですが、実現までは7年もかかったそう。その開発の裏話を伺ってきました。
製品戦略本部 製品戦略部 マーケティンググループ 伊藤 淑子
FLOATUNEの提供価値は「アイデアが形になる前に走り出すような書きごこち」の摩擦レスなボールペン。
10-60代の1000名に「形になる前のアイデアとメモに関する意識調査」を実施。
「形になる前のアイデア」を思いついたが、忘れてしまった経験がある人は、82.4%。
そのとき、メモをとれなかった・とらなかった理由は、1位が「手近にペンや紙がなかった」、2位が「ペンや紙はあったものの、書きごこちがイマイチでうまくまとまらなかった」。
アイデアをスラスラと抵抗なく書ける書きごこちが重要。
ちなみにアイデア出しに手近な紙の1位は「紙ナプキン」だったそう。確かに手近な紙が紙ナプキンしかないようなシチュエーションありますね。
体験会向けにそんな紙ナプキンタイプのメモ帳のプロトタイプも作成して、FLOATUNEの書きごこちを試してほしいとの力の入れようでした。
ボールペンはボールの表面にインキが付着して、付着したインキを紙に転写することで書くことができる。その時、ボールホルダー内の内部干渉や紙との接触によって摩擦が生じます。
その摩擦を低減し、インキがなみなみと流れることとインキのクッション効果で、浮遊感のある書きごこちを実現。
クッション成分配合インキ、オーバーフローティング技術、高精細チップ採用で、ヌルヌル書ける書きごこちに。
早速、FLOATUNEを体験してみました。0.3mm, 0.4mm, 0.5mmのボール径が用意されており、インキ色は黒、青、赤の3種類。
本当に油性ボールペンとは思えない、スムーズでしっかりと書けるのに、全然力が要らない軽い驚きの書きごこち。まさに浮遊感ですね。
技術研究所 第二技術室 課長 吉川 勝教
研究開発本部 第一開発グループ 初谷 洋勝
製品戦略本部 製品戦略部 デザイン課 課長 柴田 智明
今までない新しいボールペン開発を目指し、合宿からプロジェクトスタート。
機能を価値とした場合、すぐに当たり前になってしまう。
目指したのは「WOW!」という新しい価値。体験したことのないここちよさ。書き味以外の軸を目指した。
と言ってもWOW!は感覚。それをオノマトペへ。
そこから筆跡クログロ、インキの出方ドバドバ、書き味ヌルヌルというのをここちよさと考え、技術へ落とし込んだ。
1000以上のインキのサンプルを作り、理想を追求。その中から「ヌル3」というインキを選び、それを摩擦レスで書ける仕組みも追求。
国内外でサンプルを使ってもらい、アメリカではまさに「WOW!」という反応が得られたそう。
油性インキはある程度粘性がないとうまく書けないところを、たっぷりのインキで浮かび上がらせてボールを回転させるオーバーフローティング技術を開発。
その摩擦抵抗を視覚的に比較するために作られた模型。真ん中の低粘度油性インキと比べても、FLOATUNEは明らかに抵抗の少ないインキになっています。
FLOATUNEは「FLOAT」と「TUNE」を合わせたネーミング。浮遊して漂うようなここちよさで、調和して、音楽を奏でるように情緒豊かに表現する意味が込められています。
本体のシンプルでノイズレスなデザイン。浮遊感を感じさせる浮き上がるようなお尻。ノックしやすいノック部は透明でカラーが分かるように。
本体は白で紙に溶け込み、汚れやすいグリップ部はグレーに。視覚的にも低重心で安定感のあるデザインに。
感覚言語から技術への落とし込みには苦労して、約7年の歳月をかけて開発。携わった人も100名以上。
量産化にも苦労し、今までにない物性を持つインキなので、生産設備も新しく。
体験してみないと書きごこちは分からないと思いますので、ぜひ店頭で見かけたときは、その浮遊感ある書きごこちを体験してみてください。
FLOATUNE ボールペン 0.3/0.4/0.5mm 各330円(税込)
FLOATUNE 替芯 0.3/0.4/0.5mm 各165円(税込)