風力発電、太陽光発電など再生可能エネルギーが注目されつつもそこに頼れないのは発電量が自然の状況で大きく変動するため。消費とのバランスを取るためには蓄電が不可欠になりますが、そこにコストがかかりすぎるのが問題でした。
上の図は米国ESA(Electricity Storage Association)による蓄電技術の比較。
電気自動車のバッテリーを使うという話もありましたが、リチウムイオン充電池では、蓄電量も時間も限られてしまいます。大容量の蓄電にはNaS蓄電池が使われているようですが、それでもコストがかなりかかってしまいます。
(ちなみにPSHは揚水発電)
ここで注目されるのが、CAES(Compressed Air Energy Starge;圧縮空気蓄電)。空気圧縮用モーターで空気をタンク内に圧縮保存し、使用する時はその圧縮空気を動力としてモーターを動かすというもので、クリーンな蓄電システムです。
WIREDの「電力網の再発明」を狙う、少壮の天才女性科学者:ダニエル・フォンの記事によると、今までは圧縮する時の熱が問題となっており効率があまり高くなかったそうですが、LightSail Energyでは、密度の高い霧状の水分を圧縮空気のタンク内にスプレーすることで、効率を70%まで高めたのだとか。
タンクの周囲の空気は10〜20度しか温度が上昇しないため、地上のタンクでエネルギーが蓄積できるようになるそうで、本当に実現すればかなりのインパクトがありそうです。
圧縮空気を使った空気エンジンは2世紀ほどの歴史を持つ古くから用いられていた技術ですが、圧縮空気車なんてのもあるのですね。写真は、MDI(フランス)とタタ・モーターズ(インド)が開発中のAirPod。
燃費もスピードもそれなりに出るようで、かなり前から圧縮空気車を発売するという発表がされているのですが開発が遅れているみたい。エンジンでは空気膨張時に低温になりますからね。