
新川崎・創造のもりにある、かわさき新産業創造センターNANOBIC(ナノ・マイクロ産学官共同研究施設)で、稼働中の量子コンピュータ「IBM Quantum System One」を見学させて頂きました。
IBMの半導体・AI・量子(bits+neurons+qubits)を組み合わせたコンピューティングの未来に関する説明などもとても興味深いものでした。興味あった量子コンピュータの現在の状況やソフトウェア開発、今後の動向など理解が深まりました。

NANOBICにある、ゲート型商用量子コンピュータ・システムIBM Quantum System Oneは、2021年に設置されたもので、東京大学が占有使用権を持ち、量子イノベーションイニシアティブ協議会のメンバーが利用しています。当初は27量子ビットのプロセッサー「IBM Falcon」だったのを、2023年には127量子ビットのプロセッサー「IBM Eagle」が導入されています。来月7月から更改し、9月をめどに2量子ビットのエラー率が3~4倍改善される156量子ビットのプロセッサー「IBM Heron」が導入される予定になっています。最新スーパーコンピュータMiyabiとの接続も予定されています。

円筒形のガラスはとても美しく、内部は魔法瓶のようになっていて、量子プロセッサーを極低温まで冷却しています。

内部の等倍模型。まるでシャンデリアのような美しい姿ですが、量子状態を観測するための精密な実験装置みたいな感じです。
部品にも精度や精密加工技術が必要となるため、日本製のものが多いそう。

最下層は超伝導を実現するために約0.01Kまで、ヘリウム4とヘリウム3の混合溶液を使う希釈冷凍機で冷やされています。

模型なのでプロセッサーはダミーですが、最下部に付いているこの部分になります。

理研はスーパーコンピュータ「富岳」と連携するIBM Quantum System Twoの導入を予定していますし、量子コンピュータのクラウド利用もかなり実用に近づいていると実感しました。